一般技能教育の拡大と技術進歩、経済成長の関係についてのマクロ経済分析

2021 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 19K23213
• Research Institution: Fukuyama University
• Principal Investigator: 田中 征史 福山大学, 経済学部, 講師 (40847828)
• Project Period (FY): 2019-08-30 – 2022-03-31
• Keywords: 一般技能教育 / 特殊技能教育 / 経済成長

Outline of Annual Research Achievements

本研究では一般技能教育の拡大が経済成長に与える影響について理論分析を行ってきた。一般技能は労働タスク間で汎用性の高い技能と位置付けており、一方で、特殊技能を特定分野に特化した高度な技能と定義している点が本研究の特徴である。
主要な成果として、以下の２点を明らかにした：（１）経済の発展段階が高まるにつれて企業のイノベーション活動が活発になる結果、労働需要の不確実性が高まり、一般技能労働への需要が増大する、（２）ヨーロッパ12ヶ国のデータをもとにシミュレーション分析をした結果、TFPが高い国ほど相対的に一般技能労働が不足している傾向が観察され、一般技能教育の拡大がGDPを押し上げる割合が大きいことが示された。
本研究結果は学術論文としてまとめ、査読付き学術誌であるB. E. Journal of Macroeconomicsに掲載採択されている。また、本研究に関連した研究論文が、査読付き学術誌であるJournal of Public Economic Theoryに掲載採択された。