2020 Fiscal Year Annual Research Report
New Perspectives on Equity Carve-outs: Organizational Characteristics and Culture
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19K23215
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
笵 鵬達 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 助教 (60847391)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 子会社上場 / 役員兼任 / 内部労働市場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本企業はなぜ子会社を上場させるか、また、なぜ長期間にわたり、この資本関係を維持するのか、そして、なぜ親会社の株主価値が向上できるのかを解明することにある。本年度は、以下仮説を検証した:上場子会社の経営者でありながら、親会社の内部取締役を兼任する内部者間の競争が親会社の価値向上に貢献できる。 まず、子会社上場計画を発表する日における親会社の株価異常収益率を検証と、上場子会社の長期パフォーマンスを検証した。具体的には、子会社上場後の5年間においては、取締役の兼任する役職と取締役の年齢は、子会社の長期パフォーマンスを説明できるかを検証した。2001-2016の子会社上場に関するデータを使い、検証した結果、親会社の役員が、子会社のCEOsを兼任する場合、株主価値を向上させることができる一方で、子会社のCEOs以外の役職を兼任する場合、株主価値を高めることができないことがわかった。したがって、日本の取締役会は監督、助言以外にも、経営者の内部労働市場の役割を果していることを示唆している。 以上の結果から、日本企業の取締役会が次期経営者を育成する労働市場の役割があるという内田(2018)の考え方に基づき、子会社上場及び親会社と子会社の長期資本関係の維持を、企業グループにおける労働市場に結びづけることができた。
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