2020 Fiscal Year Annual Research Report
空間経済学による地域における大学の役割に関する研究
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19K23225
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
福村 晃一 香川大学, 経済学部, 准教授 (20846349)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 空間経済学 / 地域経済学 / 租税競争 / 人的資本 / 情報の非対称性 / 人口動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
高学歴者など移動性向の高い人の能力の情報の非対称性が存在する状況での2地域間の人口移動に関する研究を中心に行った。そこでは、移動性向により特徴づけられた、移住しやすい高技能者と移住しない低技能者、そして各地域の移動不可能な企業の所有者について考えている。特徴として、企業が労働者の能力を有効活用できる確率が、企業の払う情報コストにより向上する状況を想定している。そのために、各地域の企業の払う情報コストが人を呼び込むための手段として働き、地域間の戦略的相互作用を生み出している。現在は労働者がリスク回避的だった場合の影響を追加的に分析しており、ディスカッションペーパーとする作業中である。 従来の研究では企業の労働者の技能の活用能力は完全であり、労働者の技能が企業にとって判別できない状況を主に分析したものが多かった。しかし本研究では、企業の労働者の技能を完全には活用できない可能性を考慮した点、また地域間の相互作用を考慮した点で学術的意義があると考えられる。 また、ディスカッションペーパーとしてまとめた、個人の能力に応じて寿命と所得が決まる異質な個人の世代重複モデルの人口動態を考えた論文について、国内外での報告の後、定評ある英文査読付き雑誌に投稿・改訂・再投稿を数度行った。この論文について、モロッコのマラケシュで開催される国際地域学会(RSAI)で報告を行う予定であったが、新型コロナウイルスの影響により中止となった。 また、投稿していた共著論文の採択・公刊、公刊作業を行っていた共著論文についての公刊が行われた。
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