2020 Fiscal Year Research-status Report
小売企業の店舗存続を支える競争優位基盤の探求:組織能力と店舗立地に注目して
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19K23231
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
西川 みな美 帝京大学, 経済学部, 助教 (60846260)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 小売企業 / 組織能力 / 立地 / 店舗撤退 / 実証分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では、本申請課題のリサーチクエスチョンの1つであった「小売企業の組織能力が店舗撤退/存続 (店舗成果) に及ぼす影響」について実証分析を行い、その成果を論文として発表した。具体的には、GMSチェーン12社・1,479店舗を分析対象に設定し、個別店舗の立地要因を統制したうえで、企業レベルの「仕入能力」、「販売能力」、「出店能力」が、店舗の「撤退/存続」に与えるインパクトを分析した。その結果、①GMSにおいては、販売能力に対応するプロモーションの資源量と、少ない人員で店舗を運営できる効率性、そして出店能力に対応するドミナント出店が、店舗存続に貢献すること、②他方で、仕入能力に対応するバイイング・パワーは、むしろ競争力を弱体化させる方向に作用し、店舗撤退を促しうることが見出された。既存研究では、主に事例分析を通じて、組織能力が小売企業の競争優位基盤であることが指摘されていたが、実証的な検討は十分に行われていなかった。本研究の成果は、既存研究の課題を補完するものであり、また、仮説に反する結果となったバイイング・パワーと成果の関係解明が、今後の重要な研究課題として提起された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記のとおり、論文を1本発表することができた。ただしこれと合わせて当該年度では、仮説に反する結果となったバイイング・パワーと成果の関係について、理論仮説の導出と分析を行う予定であったが、分析段階まで至らなかったため「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度の研究成果に基づいて、引き続き、組織能力/立地と成果の関係解明を目指して分析を継続する。具体的には、これまでの2次データによる分析に加えて、企業へのサーベイ調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度に予定していた企業サーベイの準備が遅れているため、研究期間を延長し、予算を次年度に繰り越した。
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Research Products
(1 results)