2021 Fiscal Year Research-status Report
地域文化の再構築を担う創造の場:教育研究機関の集積と連携による人材開発と知識共有
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19K23236
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
前田 厚子 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (50849049)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 創造環境 / 工芸人材の多様性 / 教育研究機関 / 革新と継承 / 国際化 |
Outline of Annual Research Achievements |
イベントや関係者への対面調査はコロナ禍では限定的であったが、その渦中にて開催された国際陶磁器フェスティバル美濃、北陸工芸サミット石川、奥能登国際芸術祭、北陸工芸の祭典GO FOR KOGEI といった地域連携の美術工芸祭の現地取材、これまで調査してきた工芸分野に関わる専門技術研究所7校の在籍者へのアンケート調査、左記卒業生へのヒアリング調査を実施することにより、当年度の現地調査を終えた。 その成果として、国内学会・韓国国際学術大会におけるオンライン発表と関連するジャーナル誌への日英語による論文掲載を実行できた。具体的には、文化経済学会<日本>の年次研究会で「持続可能な創造環境と人材育成:グラス・アート・ヒルズ富山とセラミックバレー美濃」、韓国The Jinju Creative Industries Promotion Association主催の国際学術大会で”Formation Process of the Creative Environment Responsible for Innovation and Succession: Art University and Craft Artists in Kanazawa, Japan”である。何れもオンラインの発表後に、前者は査読論文として「文化経済学」2022年第1号に掲載、後者は招待論文としてジャーナル誌“International Journal of CRAFTS and FOLK ARTS”(2021)に英文にて掲載されている(オンラインで閲覧可)。 別途、富山ガラス美術館館長(当時)とアートディレクターで金沢21世紀美術館特任館長を講師として、地域文化を基軸とする持続可能な創造環境に向けた美術館や芸術祭の社会的役割について、研究会を主宰した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
富山、岐阜、京都、石川の工芸を対象とした教育研究機関の教職員、卒業生、学生への緻密なヒアリング調査とアートイベント調査の分析を主な情報基盤とするため、居住地より現地機関や関係者を訪問できる時期がコロナ禍においては極めて限定的となり、情報収集が不十分であった。 とはいえ、富山市内には5度、岐阜県多治見市には5度、石川県珠洲市と金沢市に2度、京都市には1度赴いて幹部職員へのヒアリング調査と資料収集を図った。その経過報告を、国内・国際学会でオンライン発表し、学術誌に論文が掲載された。また所属センターでは関連する研究会を主宰し、大きな成果とその後につながる情報交換の場とした。但し、教育機関内での現役生との接点やイベント実施の感染防止対策が厳しく、調査方法をアンケート調査に変更して、上記4地域における公立専門機関7校の在籍性を対象に10月より3月まで実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績で言及したアンケート調査の緻密な分析、補足となる現地調査、それらの研究成果を国内向け、国際向けの学会で報告して、査読論文として掲載されるよう執筆する。加えて、所属研究センターの主催する研究会参加が2022年度の主な活動になる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により予定していた現地調査が計画どおりにスムーズにできずまた学会、研究会がリモート開催であったため、研究費の大半を占める出張旅費の未使用分が繰り越しとなった。2022年度は、2021年度末に実施したアンケート調査の分析結果を報告する国内学会・国際学会・研究会への参加関連費と英文校正費が新規見積もりとなる。
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