2019 Fiscal Year Research-status Report
Reconsidering David Ricardo on Public Finance and the abstractness
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19K23238
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| Research Institution | Osaka International University |
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Principal Investigator |
若松 直幸 大阪国際大学, 経営経済学部, 講師 (50847340)
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2019-08-30 – 2021-03-31
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| Keywords | デイヴィッド・リカード / 経済学方法論 / ジェームズ・ミル / ジョン・スチュアート・ミル |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究代表者は、2019年12月27日～28日に開かれた第38回経済学方法論フォーラムで、「リカードウ課税論における抽象性の再考」を発表した。2019年度の研究のほとんどは、この論文の執筆・改訂・英文化作業にあてられた。この論文の一端は、元々は本研究代表者が神戸大学大学院で博士論文を執筆している際に着想を得たものであったが、その時点では本研究課題であるリカードの経済学方法論との十分なつながりを明らかにすることができず、論文化を進めることを一時断念していた。しかしながら、2019年度に入り、リカードの経済学方法論について分析を進める中で得られた新たな知見を基に、論文化を進展させることができた。また、第38回経済学方法論フォーラムでの発表により、他の多くの経済学方法論の専門家の方々から極めて重要な意見をもらうことができ、当該論文の内容をより良い形で大幅に改訂することができた。当該論文については、今後さらに国内外での研究報告のエントリーを予定している。
また、2020年度に入り、ジェームズ・ミル、ジョン・スチュアート・ミル、およびリカードの経済学方法論の関係についての研究を開始している。これに関して、まずはジェームズ・ミルとジョン・スチュアート・ミルについての従来の先行研究を整理することから始めており、それに続いて、各人物の一次文献について精査していくことを予定している。そうした作業が完了次第、リカードの経済学方法論との具体的な比較検討を行っていく。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究課題の進捗状況が遅れている理由として、主に2つの理由を挙げることができる。
第1に、当初の研究計画に予定されていなかった新たな研究の実施が挙げられる。本研究は、課題名からわかるように、リカードの経済学方法論を主な対象とするものであるが、研究計画の段階では、2019年度からリカードとジェームズ・ミルの経済学方法論の関係について分析を進めることを予定していた。しかしながら、2019年度の研究を進める中で、リカードの方法論そのものについて新たな知見を得ることができたため、リカードとジェームズ・ミルの比較に入る前に、本研究課題の土台となるリカードの方法論についての研究基盤を固めることを決定した。
第2に、2020年に入ってから猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症の問題を挙げることができる。当該感染症問題のために、本務校では2020年2月から国内外の出張が原則禁止となり、他大学でも同様の自体が発生している。これに伴い、2020年に入ってから多くの研究会・学会発表が次々と中止・延期となっている。本研究課題の遂行にあたり、適宜各所での研究報告の実施・内容の改訂を予定していたため、そうした方法がとれなくなっていることが本研究課題遂行に多大な影響を及ぼしている。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は、リカードの経済学方法論を主な対象とし、研究計画の段階では、2019年度からリカードとジェームズ・ミルの経済学方法論の関係について分析を進めることを予定していた。しかしながら、リカードとジェームズ・ミル、さらにジョン・スチュアート・ミルらとの比較分析に入る前に、リカード自身の方法論について新たな研究を行う方向に変更した。それに伴い、今後は、主に以下の3点の遂行を計画している。
第1に、第38回経済学方法論フォーラムで発表したリカードの経済学方法論についての論文の改訂・英文化を完了させ、2021年以降の国際学会等で報告し、国際ジャーナルへ投稿する。
第2に、リカードとジェームズ・ミルの経済学方法論についての論文を作成し、2020～2021年にかけて国内外の研究会・学会での発表を行い、国際ジャーナルへ投稿する。
第3に、リカードとジョン・スチュアート・ミルの経済学方法論についての論文を作成し、2020～2021年にかけて国内外の研究会・学会での発表を行い、国際ジャーナルへ投稿する。
ただし、今後とも新型コロナウイルス感染症に伴う国内外での研究会・学会報告の中止・延期も予想されるため、臨機応変な対応を考えていく。具体的には、あまりにも感染症の問題によって研究課題の遂行に遅れが予想される場合には、本研究課題遂行の延長申請も視野に入れて考えていく。
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| Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、2つ挙げることができる。第1に、本研究課題の採択決定が2019年度の後半であったために、学内業務の多忙などもあり、約半年間で、当初予定されていた使用額を十分に使用することが困難であったため。第2に、本来であれば2019年度の2～3月にかけて本研究課題と関連する国内出張等を予定していたが、新型コロナウイルス感染症問題のために、そうした出張ができなくなり、旅費などの使用ができなかったため。
今後の助成金の使用計画としては、基本的には研究に必要な書籍を中心に、貴重書などの撮影に使用するカメラなどの購入において助成金を使用していく。一方で、可能であれば2021年以降に国内外の出張を行い、その旅費にあてたいと考えているが、感染症問題が収まっていない場合、そうした出張が引き続きできなくなるため、そのような場合には、本研究課題について延期申請も視野にいれている。
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