2019 Fiscal Year Research-status Report
Economic Motives and functions of migration: perspectives of India-Japan relationship
Project/Area Number |
19K23240
|
Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
加藤 眞理子 西南学院大学, 経済学部, 准教授 (30613228)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
Keywords | 移民 / インド / 送金 / 国際移動 / 日本 / 高技能移民 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年においては、国際送金の総額はFDIやODAを上回る水準にあり、なおかつ、グローバル における所得の分配要因であることから、国際間移動とその人口移動に不随する海外送金の重要性は顕著に高まっている。中でも、インドにおいては、直近の10年においてインドが受け取った海外からの送金額は一人あたりGDPの3~4%と、インドの膨大な人口を考慮すると、かなり高い水準で堅持されている。 このような増大した国際間の人的・物的移動の中で、インドと日本の経済的関係は必然的に強化され、互恵的に発展していくと考えられるため、本研究では、以下の点についての解明をこころみる。第一に、長期的、あるいは短期的に日本を拠点として居住するインド人の移民コミュニティを対象とし、そのような人々の属性を分析した上で、日本を滞在、あるいは移住先として選択した経済的動機を明らかにする。第二に、そのようなインドにルーツのある人々が、日本とのかかわりを持つことによって得た経済的効果を明らかにする。さらに、日本とインドとの間に構築された人的・物的交流のもたらす経済的効果について考察することである。 現状においては、インド-日本間のVISA規制が厳格であることから、東京におけるインド系コミュニティの構成員の多くは高学歴で高職能という属性が顕著である。また、東京におけるインタビュー調査においては、長期の滞在者には北インド出身者が、短期の滞在者には南インド出身者の短期滞在者が散見された。近年のインドからの海外移住者には、高い欧米におけるキャリア指向があることから、こうした日本への移入者は、日本を短期的なキャリアの中継拠点と考え、長期の滞在を前提としていない可能性がある。日本におけるインド系の経済的コミュニティの形成については、継続して注視していく必要があろう。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年2~4月にかけて、東京におけるインド移民コミュニティについての聞き取り調査を行い、適宜必要となる資料を収集する予定であったが、新型コロナウィルスの影響のため、研究活動が事実上の停止状態に追い込まれてしまったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は人的・経済的な地域間移動、国際移動を対象としているため、新型コロナウィルスの影響により物的・経済的資源の移動が制限されている状況下は、当初における研究の遂行計画を抜本的に変更する可能性があり、今後の社会状況を注視していく必要がある。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響が大きく、現地調査の遂行が不可能になったため、状況が緩和され次第、次年度の研究支出に充当する。
|