2020 Fiscal Year Research-status Report
Economic Motives and functions of migration: perspectives of India-Japan relationship
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19K23240
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
加藤 眞理子 西南学院大学, 経済学部, 准教授 (30613228)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | インド / 移民 / 海外移民 / 国内移民 / 移住 / 経済成長 / 階層 / ローカル |
Outline of Annual Research Achievements |
インドにとって、移民は海外、国内移民いずれもが、近年の急速な経済成長の原動力であったことについては疑いはない。特に高い技能を持つ個人は、海外移民を選択し、移住先から送金、あるいは、投資というかたちでインド経済の資本の根幹を支えている。インドに国籍を保有したまま海外の移住先の市民権を有する、いわゆるNon Residential Indians(NRIs) 推計に差はあるものの、インドにおける資金フローのうち、40~50%はNRIsによるものだと考えられている。換言すれば、多くの国でみられるように、移住者が資金を提供し、新たな移住を誘発し、国内外を問わずモビリティが拡大していくサイクル、中でも国内移住が増大していく過程において、経済的な急成長が現実的に達成されると考えられる。 いっぽうで、恵まれたモビリティは所属する社会・経済的階層によって制限される。さらに、インドでは、出身をさかのぼることのできる地域や、ローカル・コミュニティとの関係性は、世代と社会的階層を通じて比較的長期に保たれる傾向があるため、ローカルのアイデンティティをも考慮する必要がある。海外のインド移民のコミュニティにおいては、伝統的な北西インド商人階級のみならず、多くのサブローカル・コミュニティが存在しており、そのようなサブローカル・コミュニティの存在が潜在的な移民の意思決定に大きな影響をもたらしていると考えられる。なお、日本でも、大きなインド移民のコミュニティとサブ・ローカル移民コミュニティが存在している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初は東京東部、神戸などに存在するインド人コミュニティとあわせ、デリーに存在するサブローカルの移民コミュニティにおいてインタビュー調査を行う予定であったが、新型コロナウィルスの影響により、県をまたぐ移動が制限され、新規の調査協力者を募ることが不可能になったため、計画されていた研究をほぼ中断した。
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Strategy for Future Research Activity |
現地調査はすべて中止する。 ただし、インターネット媒体を駆使し、可能な限りインドの経済・社会状況を調査していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、計画していた移動を必要とする調査をすべて中止にせざるを得なくなったため。
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