2019 Fiscal Year Research-status Report
都市部若年非正規労働者による労働組合実践のビジュアルエスノグラフィー
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19K23252
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| Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
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Principal Investigator |
岩舘 豊 文京学院大学, 人間学部, 研究員 (50852472)
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2019-08-30 – 2021-03-31
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| Keywords | 労働組合実践 / ビジュアルエスノグラフィー / 社会空間 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度（2019年度）は、都市部若年非正規労働者による労働組合実践研究についての研究課題のうち、主に①収集したデータの分析、②ビジュアルエスノグラフィーの製作、について取り組み、以下のような成果があった。
①これまで収集してきたフィールドデータについて、整理と分析を進めた。とくに映像データと文書資料について、一覧を作成するとともに、分析視点にもとづいて参照が可能な状態へと整理した。またデータを分析していくなかで、若者たちの集合行為を概念的に分節化して区分し、それらが生起する諸社会空間の布置連関を明らかにした。データに即して、分析視点にもとづく考察を深めることができたは、大きな到達点であった。この研究成果については、日本都市社会学会第37回大会にて口頭報告を行った。
②上記のデータ分析にもとづき、ビジュアルエスノグラフィーの製作を進めた。その過程で、労働組合実践分析におけるビジュアルアプローチの必要性と意義について、制度的レベルと身体ー存在論レベルから整理・把握した。その研究成果については、2020年7月に開催予定だったInternational Visual Sociology Association（IVSA）国際会議において報告すべく要旨を提出し、口頭発表者として受理された。映像社会学の国際学会において報告者として採択されたことは、本研究課題が国際的な文脈で認知・評価され、より広く発信できる機会を得られたという点で重要な成果であった。
なお予定していた研究課題の遂行については、新型コロナウィルスへの影響により中断・遅延している作業がある。感染症拡大の影響への対応を模索し適切に講じながら、研究課題を遂行していく。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、①収集したデータの分析、②ビジュアルエスノグラフィーの製作、について成果があった。とくに、分析視点にもとづく考察の深まりや国際学会への発表申込受理など、計画した研究課題を概ね順調に進めることができた。新型コロナウィルス感染症の影響により、在宅でのデータ・資料整理と分析の時間が当初に計画していたよりも多く確保できたため、十分な進捗が得られたと言える。他方で、上記感染症の感染症拡大という予期しない事態により、調査が実施できなかったものもあった。とくに2020年2月から3月にかけて海外においてビジュアル・エリシテーション法によるインタビュー調査を実施する予定であったが、国内外での感染症拡大により海外渡航そのものを断念せざるをえなかった。また、「外出自粛」にともない国内での調査や文献・資料収集もほぼ実施することができなかった。さらに発表予定だった国際学会も開催延期が決まるなど、大きな影響を受けている。そのため、総合的な評価としてはやや遅れている、と評価する。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策について、研究計画の大きな変更はない。収集したデータの分析を進め、ビジュアル・エスノグラフィーを製作し、博士学位論文をはじめ研究論文として成果をまとめていく。そのうえで、研究を遂行するうえでは、新型コロナウィルス感染症の影響に対し、以下の対応を行なっていく。①海外をはじめをする追加のインタビュー調査については、実施の可能性を2020年度前半までに判断する。難しい場合には、オンライン・インタビューや調査票などの文書のやりとりを通じた遠隔による調査手法へ変更する。②研究成果の社会的還元として予定している映像の上映会については、開催できる場合には規模を縮小し、少人数など感染症対策を尽くして実施する必要がある。また、オンラインでの上映会や配信システム構築を検討するとともに、映像作品の質を高めていくことに多くの資源を投入する。③International Visual Sociology Association（IVSA）国際会議での報告については、会議の開催が2021年7月へ延期された。上記国際学会での報告は、本研究課題の中核に位置しており、発表資格はそのまま維持されることであるから、本研究課題の1年延長も含めて、検討を行なう。
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| Causes of Carryover |
研究課題を進める期間としていた2020年2月から3月、新型コロナウィルス感染症拡大により、支出をともなう行なう予定が実施困難となった。最も大きな支出予定だった海外現地調査について、海外渡航制限により実施できなかった。また、「外出自粛」のため、国内での調査や資料収集ができず、所属する研究機関に出入りする機会も大きく減少した。そのため、すでに収集してあるデータや資料の整理・分析へ集中的に取り組むこととし、研究課題遂行を進めた。
今後の使用計画については、感染症の動向を注視しながら、海外調査の実施を模索する。また代替手段としてオンラインでの調査を検討し、夏までに実施する。その場合、映像作品のコンテンツ充実を図るとともに、オンラインでの配信システム構築などにより、研究成果の還元を図っていく。
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Research Products
(1 results)
