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2020 Fiscal Year Research-status Report

日本におけるエスニックヒエラルキー形成過程の解明

Research Project

Project/Area Number 19K23254
Research InstitutionRikkyo University

Principal Investigator

五十嵐 彰  立教大学, 社会情報教育研究センター, 助教 (90844762)

Project Period (FY) 2019-08-30 – 2022-03-31
Keywordsエスニックヒエラルキー / 移民 / 差別
Outline of Annual Research Achievements

本研究は日本におけるエスニックヒエラルキーの形成過程を解明するために行う。エスニックヒエラルキーとは外国人に対する好意の序列であり、例えば日本ではアメリカ人に対する好意が最も高く、中国人に対する好意が最も低いといった具合のものである。本研究はではこのヒエラルキーがなぜ形成されるかを示すことを目的としている。
令和元年度には実験のための計画立案と調査票の作成を行った。具体的には、外国人イメージを形成する要素を国籍、言語、出生地、居住地、見た目に分け、このうちどの要素がアメリカ人/中国人であればより好意的になるのかを検証する手はずを整えた。令和2年度はここで想定していた実験を実際に実施し、回答者から回答を得た。しかしながらもともとの想定とは異なり、十分に論文化することのできる研究結果とはならなかった。
令和2年度に方針を変え、本来のテーマであるエスニックヒエラルキーに基づき、エスニックヒエラルキーが外国人に対する差別を形成する過程を労働市場における差別をケースに検証することとした。エスニックヒエラルキーから得られる好意の順序に基づいた差別行動を行っているかどうかを、人事担当者を対象としたweb調査を行って検証した。結果から、好ましい外国人とそうでない外国人に対して、採用時の差別行動が異なっていること、そしてその好ましさとは、人事担当者個人が特定の外国人に対してもっている好意であり、他人(顧客や同僚)がもっているであろうと想定される好意ではないこと、がわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本来のテーマであるエスニックヒエラルキーの形成過程の解明については、当初想定していたような結果が出なかった。しかしながら本研究のテーマであるエスニックヒエラルキーに基づいた差別が行われているという指摘を実験研究を通して行うことができた。採用時の外国人差別に関する研究は日本で未だ行われておらず、差別の在り方がエスニックヒエラルキーに強く依存していることは、新たな発見であると言える。

Strategy for Future Research Activity

今後は本課題で達成することのできなかったエスニックヒエラルキーの形成過程について異なるアプローチから検討したい。具体的には、本研究で行った属性をシャッフルするような方法ではなく、事前にアメリカや中国についての情報を提示することで個人の好意が変わるかどうかを検討する。これに加えて、本研究で新たに判明した、エスニックヒエラルキーに基づいた差別の存在についてより深く研究することを目標としている。特に外国人に対する好意は自己申請であるため、社会的望ましさの効果をより強く受けやすい。これを除くために、ある外国人に対して好意をもつような事前の操作を行った上で、採用行動に関する実験を行う、などである。

Causes of Carryover

コロナの影響により、当初予定していた旅費の執行が行えなくなった。本年度で得られた実験結果をまとめるため、次年度において英文校正や図書購入費に用いる予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 日本企業は外国人を差別しているか ──サーベイ実験による検証──2021

    • Author(s)
      五十嵐彰・麦山亮太
    • Organizer
      第70回数理社会学会大会
  • [Presentation] 履歴書実験において人事を対象にする必要はあるのか2021

    • Author(s)
      五十嵐彰・麦山亮太
    • Organizer
      第70回数理社会学会大会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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