2023 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of Social Cohesion between Transnational Migrants and Host Society in Japan
Project/Area Number |
19K23255
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
大野 光子 立教大学, 社会学部, 特定課題研究員 (70846203)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 都市エスニシティ / エスニック・コミュニティ / 移民研究 / 社会的多様性 / 国際退職移住者 / トランスナショナリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、研究期間全体を通じて、以下3つのサブ課題を設定し、プロジェクト全体の調査課題にアプローチした。①大久保地区の移民コミュニティにおける質的調査では、エスニック・ビジネスを経営するオーナーの2人を対象にインタビュー調査を実施した。対象者はいずれも来日20年以上経過しており日本語は流暢であるが、いずれの対象者においても地元住民との関わりは、ほとんどない若しくは、皆無であることが分かった。②大久保地区のハラルショップにおけるサービスエンカウンターの相互行為分析では、サービスエンカウンターでの店員(ネパール人)と客(日本人を含む多様なエスニシティ)のやり取りを一定期間に渡りビデオ撮影した。この研究は、移民を話者とする第二言語としての日本語が、ホスト社会においてどのように使われまた機能しているのかといった視点から、二者間(移民とホスト社会)の関係性にアプローチすることを企図している。③「国際退職移住」を対象とした質的調査では、日本人会のインタヴュー調査、また、チェンマイにおいて、13名の日本人高齢移住者のライフヒストリーインタヴューを実施した。彼らとホスト社会の関わり方、医療・介護や保険制度の課題を明らかにした。これらの結果をもと に、トランスナショナルな高齢化社会における、グローバル・マイグレーションとホスト社会の関係性について考察した。 以上のいずれも、各対象の調査・分析を通して、日本のトランスナショナルな移住者とホスト社会の「社会的結束性」に関してアプローチするものである。 また、これらの研究の成果として次のアウトプットを行った。2021年度、第94回日本社会学会大会(2021年11月)での口頭報告。ISA World Congress of Sociology での英語の口頭報告。また、international journal において2本の論文を出版した。
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