2020 Fiscal Year Research-status Report
Quantitative Elucidation of the Mechanism of Status Identification in Contemporary Japan
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19K23258
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
谷岡 謙 中京大学, 文化科学研究所, 特任研究員 (90852260)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 階層帰属意識 / 社会意識 / 階層意識 / 社会階層 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、階層帰属意識の潜在クラス分析を用いた研究成果が掲載された共著英語書籍がRoutledge社から発刊された。この研究では、多母集団潜在クラス分析を用いて時点間比較を行い、地位グループの割合とその階層帰属意識との関連が変化することで、近年の静かな変容が起きていることを明らかにした。 その他に、グループレベルでの階層帰属意識の時代変化に関する分析を行った。具体的には、SSM調査やSSP調査の複数時点のデータを用いて、Finite Mixture Modelsと呼ばれる潜在クラス分析の一種を用いた分析を行った。使用したソフトウェアはLatent GOLD ver.5.1である。 現時点で得られた結果としては、階層性が低いとされる総中流時代においても、階層性が高いグループがいることが確認されたが、その割合は小さいために社会全体の階層性が低くなっていた。そして近年になるほど、その階層性が高いグループの割合が上昇し、社会全体の階層性が上昇傾向にあることが確認された。また、性別・年齢・学歴といった属性を潜在クラスへの割り当て関数に使用したところ、総中流時代ではグループによる属性の違いが小さいものの、近年になるほどその違いが大きくなることが確認された。具体的には、階層性が高いグループのほうが、年齢や学歴が高いという特徴があった。 この分析により、階層性の異なるグループの時代変化の様子が明らかになり、最終的な研究課題であるグループレベルの階層帰属意識のメカニズムの解明に近づいたと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、英語書籍が刊行されたものの、新型コロナウイルスの影響で研究環境が悪化し、予定通りの研究発表を行うことができなかったため、この評価とした。研究実績にある通り、書籍の刊行や分析は進んでいることから、研究期間を延長し2021年度に発表を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、これまでに得られた知見をもとに、SSM・SSPデータを用いて時代変化のグループレベルでの分析を進め、その成果を学会での発表や学術雑誌等へ投稿する予定である。また、新規の大規模データが利用可能になる可能性もあることから、柔軟に分析計画を変更し、最新データに対応したモデルを構築する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により各種学会が中止になり、旅費が不要になったため。 学会・研究会が再開次第、順次使用する予定である。
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