2022 Fiscal Year Research-status Report
ソーシャルメディアを活用した不妊治療を内包する生活の理解と社会的課題の検討
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19K23277
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
白土 由佳 文教大学, 情報学部, 講師 (10715816)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 不妊治療 / ソーシャルメディア / ライフスタイル / 社会調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ソーシャルメディアのデータ分析から不妊治療当事者の日常と治療のリアリティを構造化することを目指している。先行研究において、不妊治療当事者はその治療特性から周囲へ気軽に相談ができないことが指摘されている。このような背景のもと、本研究では匿名や仮名で悩みを吐露できるソーシャルメディアを対象に当事者の日常生活や治療におけるリアリティの把握を目指している。2022年度は不妊治療当事者をソーシャルメディア上のプロフィールに基づいて区分し、治療段階ごとの困難や不安を明らかにした。具体的には、タイミング法や人工授精、顕微受精といった治療段階ごとにユーザを区分し、Twitterへの投稿を対象にトピックモデルによる分析を通じて不妊治療当事者の言説の類型化と特徴を分析した。Twitterに発露される不妊治療当事者の言説内容には、匿名ないしは仮名であるからこそ投稿される不安や同じ治療を共にする仲間とのコミュニケーションなどが見て取れ、不妊治療当事者に寄り添った精神的ケアや日常生活における支援のあり方を検討する上で示唆的な内容だと考えられる。本研究成果は、「ソーシャルメディアを活用した不妊治療を内包する生活の理解」という題目で専門誌へ寄稿した。前年度同様に新型コロナウイルスの影響によって子の養育の必要性が生じ、当初の計画よりも大幅に遅れたため、最終年度として課題をまとめることが難しく、補助事業期間の再延長を申請した。 2023年度は、2022年度までの研究内容を発展させ国際誌への投稿を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響によって子の養育の必要性が生じ、当初の計画よりも大幅に遅れたため、最終年度として課題をまとめることが難しく、補助事業期間の再延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度までに得られた研究成果を発展させ、英語論文として国際誌へ投稿予定である。
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Causes of Carryover |
研究活動の遅れによって経費執行できなかったため。 次年度の使用計画については、研究成果の英文への翻訳と成果公表を予定している。
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