2019 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of Guidance Elements for Fstering Caree-Building Competency
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19K23286
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
清水 克博 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (90847344)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | キャリアポートフォリオ / 初等中等教育 / キャリア形成型コ ンピテンシー / 学びの継続性 / 学びの発展性 / 学びの時間的展望 / 学びのための評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
全国小中高等学校で実施されているキャリア教育に関する実践研究の中で、2016年度以降の実践研究の成果と課題を研究で用いられたポートフォリオの現状を明らかにするために、全国都道府県政令指定都市中核都市の教育センター研究所等の研究を管見した。この調査によって、ポートフォリオには「学びの継続性、発展性と時間的展望」と「学習者のための学びの評価」の4観点が構成要素になることを明らかにすることができた。研究結果は、大学紀要で公表するとともに、全国学会(日本キャリア教育学会、日本特別活動学会)、国際学会(世界授業研究学会)での発表を終えた。 また、研究で明らかとなった4観点を、高いレベルで実現化していた「先進的実践校」の中から「学びの発展性」と「学習者のための学びの評価」で優れた実践を行っていると判断した実践校5校(小学校2校:高知、群馬、中学校2校:広島、群馬、高等学校1校:広島)を選定し、当該校への訪問調査を実施した。調査では、研究中心者の教師から各校が開発したキャリアポートフォリオの開発経緯について聞き取り調査を実施するとともに、ポートフォリオを実際に用いた授業を記録し、授業データを収集した。 現在は、調査校で教師から聞き取ったインタビュー内容をSCATの手法を用いて分析し、各教師がキャリア形成型コンピテンシーの育成に向けてどのような理論を持っているかを明らかにする作業を行っている。また、授業データを逐語記録化し、ポートフォリオを用いたキャリア教育の指導において児童生徒のキャリア形成型コンピテンシーの育成にどのように効果を果たしているか、授業分析を進めながらキャリア形成型コンピテンシーの育成のためのポートフォリオに不可欠な構成要素の検証を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査校のうち、ポートフォリオを用いた授業実践を参観、記録化を予定していた学年末授業が2月後半から全国一斉の休校措置で不可能となり、授業データの収集が行えていない。このため、ポートフォリオの構成要素がキャリア形成型コンピテンシーの育成に教育方法学の視点から明らかにする作業が中断している。学校が再開した時点で、これに代わる授業データを収集し、分析を進展させていきたい。それ以外は、予定通り順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
学校の授業が再開したところで、訪問調査した中で最も優れた実践をしている教師の授業実践を年間を通じて観察し、教師が作ったポートフォリオとキャリア形成型コンピテンシーの育成との観点で分析を進め、キャリアポートフォリオの構成要素が果たす機能をより精緻化させていく。また、高校においてポートフォリオを用いてキャリア形成型コンピテンシーの育成を図る方策を明らかにするために文科省から業績評価としてAないし、B評価を受けたSGH,SSH実践校の訪問調査を行い、ポートフォリオの構成要素として認めた4観点がどのように使われているか、実践との関係について分析を行う。以上の調査を基に、キャリア形成型コンピテンシー形成に役立つポートフォリオを開発し、これを用いた実践を研究協力校で行い、その結果を分析することで、研究の目的を果たす。
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Causes of Carryover |
2020年3月に学年末として、キャリア形成型コンピテンシーの育成を図るためのポートフォリオを用いて、1年間の学びをまとめ、新たな学びにつなげる実践を調査するために予定していた調査校(広島県呉市中学校)への訪問が、2月末の全国一斉休校に伴い、訪問が困難となり、予定していた旅費の執行ができなくなった。学校が再開した時点で、繰り越した予算を執行し、調査対象の教師と調整を図りながら訪問、調査を実施したい。
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Research Products
(5 results)