2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of Guidance Elements for Fstering Caree-Building Competency
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19K23286
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
清水 克博 愛知教育大学, 教育学部, 特別教授 (90847344)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | キャリア教育 / キャリア形成型コンピテンシー / ポートフォリオ / 指導要素 / 立体的な学びのつなぎ / 相互評価としての学びの評価 / モニタリング機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポートフォリオを用いたキャリア教育実践の中で、「学びの継続性、発展性、時間的展望、評価」の視点で優れていると判断した実践を取り上げ、実践の中心となった教師に半構造 化によるインタビュー調査を実施した。キャリア教育としての学びをまとめて新たな学びにつなぐ際、「過去・現在・未来」に渡る時間的な枠組みを持って学びをまとめる「学びの時間的展望」の視点からインタビュー内容をSCATを用いて分析した結果、教師は同一時制における教科等の異なる学びをつなぐ「横の学びのつなぎ」が必要であると考えていることがわかった。また同時に、時制の異なる学びをまとめ、つなぐ際にもそれぞれの時制における教科等の異なる学びも考慮してつなぐ「縦の学びのつなぎ」が必要であると考えており、この両方を併せて「立体的な学びのつなぎ」と考えていることがわかった。全体として、調査した教師は「学びの時間的展望」を含意する「立体的な学びのつなぎ」の指導をキャリア形成型コンピテンシー育成の重要な指導要素と捉え、その実現を目指したキャリア・ポートフォリオ開発に取り組んでいた。 また、実際に開発したキャリア・ポートフォリオを用いた授業実践を記録し、授業分析した結果、ペアによる相互評価として行う「学びの評価」において学習者に対してペアとなる学習者が、学習者自身の評価から漏れた評価を補完、強化し、否定的捉えを和らげるモニタリング機能を果たすことを確認した。さらに、モニタリング機能を組み込むことにより学習者個人のみで行う「学びの評価」に比べて評価内容の対象が広がり、「学びの評価」が深まることを確認した。すなわち、日ごろから学習者の状況をよく知り、学習者の学びを理解している仲間と行う相互評価としての「学びの評価」は、キャリア形成型コンピテンシーの育成において重要な指導要素であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度から2年目まで、研究計画に従い、小中学校のキャリア教育先進研究校を調査し、実践の中心となる教師へのインタビュー調査、授業の逐語記録を用いた授業分析を通じて、キャリア形成型コンピテンシー育成のために必要と教師が考える指導要素を明らかにすることができた。 研究2年目は、明らかとなった指導要素を基礎にキャリア・ポートフォリオを用いた指導モデルを開発したものの、COVID-19の全国的広がりに伴い、研究協力校で指導モデルを用いた実践の生徒観察・分析を行うことが不可能となり、協力校の教師が収録した授業データの分析を進めるに留まっている。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の状況が治まり次第、研究協力校に出向き、指導モデルの実践に取り組んだ教師と生徒等のインタビュー等の調査を実施し、その効果を確かめ、研究を完結したい。
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Causes of Carryover |
COVID-19の拡大により、当初、予定していた研究協力校への訪問が全く実施できず、予定していた研究協力者を含めた旅費の執行ができなかった。今年度、COVID-19 の状況改善により、研究協力校への訪問が可能となった段階で、訪問を再開し、残りの調査にあたりたい。
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Research Products
(6 results)