2019 Fiscal Year Research-status Report
非正規教員の任用実態とその特質に関する研究―常勤・非常勤講師「不足」をめぐって―
Project/Area Number |
19K23305
|
Research Institution | DAIICHI UNIVERSITY OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
原北 祥悟 第一工業大学, 工学部, 助教 (70850402)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
Keywords | 非正規教員 / 助教諭 / 教職の専門職性 / 教員免許制度 / 臨時免許状 |
Outline of Annual Research Achievements |
非正規教員の増加/不足の事態は各種メディアが先行して報道することに伴い、今日ではその事実に対する危機感は共有されつつあると言える。しかしながら、非正規教員の任用実態の把握は人事に関わる事項であることから常に限界をはらんでいる。そこで本年度は福岡県及び鹿児島県を事例として選定し、文科省による「学校基本調査」や県『教育職員録』に加え、「公立小・中学校教職員実数調」等の統計データから非正規教員の任用動向(およそ15年間)を量的に捉える作業・分析を実施した。また、非正規教員の任用は各自治体・学校の諸事情(就学児童生徒の流出入数、特別支援学級数、年度途中における教員異動等)にも大きく左右されることから、鹿児島県内のX市にある公立小・中学校校長へのインタビュー調査、福岡県にて勤務する教員へのヒアリングを実施した。 調査の結果、非正規教員の不足が深刻化している福岡県では、臨時免許状を発行することで教員定数を満たしている事態の拡大が確認された。一方、鹿児島県では特別支援学級の増加が非正規教員の任用を拡大する要因として認識されているものの、非正規教員の不足という事態は確認されなかった。都道府県によって非正規教員の増加/不足の様相は大きく異なることが推察される。少人数学級やティームティーチング等の施策との関連性を視野に入れ、自治体間比較を通して非正規教員の任用実態とその特質を分析していくことが次年度の課題となる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、調査を予定していた小・中学校が休校措置となり、対面でのインタビュー調査を実施することが困難となったためである。
|
Strategy for Future Research Activity |
各種統計データから非正規教員の任用実態を量的に把握・分析する作業を進めていく。また、状況を見極めつつ、適切な時期に各学校や教育委員会へのインタビュー調査を再開する。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行により、年度末に予定していた他県でのインタビュー調査や研究会がすべて中止せざるを得ない状況となったためである。 したがって、次年度は上記中止されたインタビュー調査や研究会を実施するための旅費として使用予定である。また、各種調査をオンライン上での実施も検討しており、それに向けたPC周辺機器の購入にあてる予定である。
|
Research Products
(1 results)