2020 Fiscal Year Research-status Report
非正規教員の任用実態とその特質に関する研究―常勤・非常勤講師「不足」をめぐって―
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19K23305
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Research Institution | DAIICHI UNIVERSITY OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
原北 祥悟 第一工業大学, 工学部, 助教 (70850402)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 非正規教員 / 臨時免許状 / 専門性 / 身分保障 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に続き、福岡県を事例として選定し、そこにおける非正規教員の任用実態の分析を行った。具体的には、「学校基本調査」や県『教育職員録』に加え、「公立小・中学校教職員実数調」等の統計データに基づき、約15年程度のスパンでその任用傾向を明らかにした。その分析結果を日本教育経営学会『日本教育経営学会紀要』第62号に研究論文「公立小・中学校における非正規教員の任用傾向とその特質―助教諭の運用と教職の専門職性をめぐって―」として掲載された。非正規教員への依存によってその不足が生じ、当該免許状を有していない者へ臨時免許状を授与することで不足分を対応せざるを得ない実態の一端を明らかにした。 今日ではなお、教員の不足やそれに伴う臨時免許状の発行が顕著である。教員の身分保障だけではなく免許制度に支えられている専門性にも大きな影響を及ぼしている。このような動向はこれまでの教員法制の改正によって引き起こされていることに鑑み、80-90年代の新自由主義的な教育政策に関して教員の身分保障や専門性概念がどのように捉えられてきたのか、制度史の観点から分析を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍において現地での史資料収集やインタビュー調査等、現地調査に大きな制約がかかっているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
現地調査については可能な限り効率的に実施できるよう自治体の選定等を再検討するとともに、オンラインでの調査方法を模索する必要がある。また、収集した史資料やインタビューデータの分析を通じて、知見の一般化を図る。
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Causes of Carryover |
コロナ禍という状況によって、現地調査や各学会への参加費・旅費等の支出が極端に抑えられたためである。使用計画として、オンラインでの調査や研究会に必要な機器の購入や史資料の複写依頼料や書籍購入に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)