2020 Fiscal Year Research-status Report
授業研究における授業記録のエビデンスとしてのあり方に関する日独比較研究
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19K23316
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松田 充 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 助教 (80845991)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 授業研究 / 授業記録アーカイブ / ドイツ / 授業研究の方法論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、授業研究における授業記録のエビデンスとしてのあり方を、日独の授業記録の機能や役割を比較的に検討することによって明らかにすることである。日本における授業研究は伝統的に、授業の改善や教師の専門性の向上という実践的側面に重点を置いてきた。一方で近年、授業研究の科学性や実証性に対して疑義が呈されている。すなわち、授業記録をはじめとした研究エビデンスのあり方が問われている。本研究では、実証性を重んじる経験科学的アプローチから授業研究を発展させてきたドイツの授業研究を手がかりに、授業研究のエビデンスとなる授業記録がどのように作成、分析、そして蓄積されているのかを、日本のそれと比較することで、授業研究における授業記録のあり方を明らかにする。 昨年度、主にインターネットや書籍でドイツの授業研究アーカイブの所在や管理者等を調査したことを受け、今年度は、その中から規模の大きいアーカイブに訪問し、記録方法などを調査する予定であったが、渡独が困難なため、実施することができなかった。代わりに日本のアーカイブへの調査を行う準備をしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度の3月、ならびに今年度の8月に予定していた調査を行うことができておらず、研究を進行することができていないため、研究の基礎資料を整えることができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の状況をふまえて、現地調査以外の方法を模索している。ただし、アーカイブの一次資料などの収集を予定していたため、訪問以外で当初予定していた資料の収集を行うことは困難である。そのため、①アーカイブの記録の収集の部分ではなく、その記録の活用方法について、主に文献などを用いてまとめること、②日本の授業記録のデータアーカイブについての調査を行うという代替的な方法をとることを予定している。
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Causes of Carryover |
今年度は二度の渡独を予定していたが、COVID-19の影響により、渡航することが困難となったため、次年度使用額が生じた。次年度に可能であれば、渡独するための費用とする。困難であれば、アーカイブ関係の書籍とオンライン会議用の設備を整えるための費用とする。
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Research Products
(2 results)