2020 Fiscal Year Research-status Report
Exploring the Mother Tongue of Bilingual Children and their Language Acquisition
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19K23322
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Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
西 香生里 獨協大学, 法学部, 特任助教 (50844198)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 日英語二言語話者 / 言語習得過程 / 言語学習方略 / 社会構成主義 / 母語の探求 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は日英語二言語話者の言語習得過程と母語の探求である。実施計画に沿い先行文献研究を続け、2019年10月より2021年5月現時点で下記のように実験を行ってきた。日英語二言語話者として育つ被験者2名(児童A:開始当時11歳、生徒B:開始当時13歳)と会話相手C:成人女性(実験協力者、日本語の家庭教師)との日本語会話の音声録音を実施中である。会話中は研究者は観察記録を記述。音声録音内容のテープ起こし後のデータを研究者が分析中である。2019年10月から2020年2月まで対面式での会話録音を数回実施済み。2020年2月末以降、新型コロナウイルス感染拡大防止の為、当初の対面会話の実施続行が不可能となり収束時期が見えず実施を断念、模索の結果、会話相手の理解と協力を得て同4月よりオンラインでの日本語会話を実現した。手段は対面式からオンライン式への変更だが、それ以外の条件はほぼ同じである。後者で数回実施。2021年度も実施を続ける。収集した音声データ分析は対面式とオンライン式との違いを考慮した上で、各々の会話データを発話データベースCHILDESのCHATフォーマットを使用し独自のデータを日本語(漢字仮名表記)からローマ字(分かち書き)へ書き起こしコーディング分析中。発話数と単語数(形態素)の解析結果考察も踏まえ、コミュニケーション方略、社会構成主義的視点からも統合的に分析を進めている。総合的には子供への相手からの支援の言葉が足場掛け(scaffolding)にもなり言語発達にも関わっていると考えられるのは昨年同様である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由は、毎回録音した会話が日本語表記(漢字仮名)に書き起こされた後の、研究者が録音元と日本語書き起こしと照合確認しつつ、CHILDESのCHATにローマ字で分かち書き入力をしていく過程に予想していた以上に大幅な時間がかかることである。発話データベースCHILDESを使用するのは今回初めてであるため、試行錯誤を繰り返し、ローマ字で分かち書きを確認しつつ入力後、分析を進めている。そのため、やや遅れているという自己評価に至った。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2021年度も研究実施計画を継続する予定である。当初の計画とは一部変更点がある旨は昨年述べた通り。2020年2月末以降の新型コロナウイルスの感染拡大防止の影響を受け、会話相手と被験者との対面実施ができなくなり、オンラインを使っての会話という研究実施計画の中の研究方法に変更を急遽余儀なくされた部分があるため、対面式の日本語会話録音データとオンライン式の日本語会話録音データとを両方収集したが、別データとして扱い、それらの差異を考慮しつつ、データ収集と録音会話の分析、データベースへの入力とコーディングを続けていく予定である。その後データ分析結果を考察し研究成果をまとめ論文執筆し、雑誌論文または学会口頭発表に応募し2021年度に研究発表として報告する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度も新型コロナ感染拡大防止の観点より旅費として海外・国内学会参加費を使うことができなかったため、次年度で学会参加費として使用予定である。研究協力謝礼の図書カードは2020年度以降実験協力者の辞退により支払う必要がなくなった。その分を期間延長となった本研究における会話録音のテープ起こし代に当てさせていただきたいと考えている。
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