2021 Fiscal Year Annual Research Report
幼児は他者にとって大切な人形に心的状態を付与するか?
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19K23330
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Research Institution | Minatogawa College |
Principal Investigator |
大塚 穂波 湊川短期大学, その他部局等, 講師 (80847947)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 遊び / 幼児 / 保育者 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症の拡大のため、2021年度も当初計画していた観察・実験研究を保育現場で実施することができなかった。その代替として、保育者を目指す大学生を対象に、保育者が持つ遊び観が子どもの人形遊びやふり遊びにどのような影響を与えるかにについて、予備調査を実施した。まず、先行研究をレビューし、保育者が持つ保育観や遊び観が保育の生活や遊びの背景にあることや、大学生が保育者を志望する理由の一つに、幼少期に巡り合った保育士や幼稚園教諭の存在が挙げられることが多いことを整理した。その上で、保育者を志望する短期大学の2年生を対象に、どのような遊び観を持つかについて質問紙による予備調査を実施した。その結果、大学生における「遊び」の内容と、幼少期によくしていた遊びには大きな隔たりがあることや、保育者を目指す大学生は、子どもの一見望ましくない行動であっても、遊びに発展させようとする態度がみられることが示された。これは、実際に保育場面で子どもの遊びを観察する上で、保育者の役割について検討する上で重要な示唆となった。 合わせて、保育者を目指す大学生が行った1歳児の遊びの観察について再分析を行った。その結果、1歳児の砂場でのごっこ遊びでは、保育者が子どもの行為を受け止めることで、他児にも遊びが伝染していくことが明らかとなった。また、パターン化された遊びの行動から逸脱するタイミングで遊びが他児へ伝染していくことも示され、保育者が子どものどのような行動を「遊び」とみなして応答するかが子どもの遊びの展開において重要であることが示唆された。この結果は保育学研究に投稿を予定している。
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Research Products
(1 results)