2021 Fiscal Year Research-status Report
ケニア農村部における中等教育から高等教育への移行に関する追跡調査研究
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19K23340
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小川 未空 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (40848610)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | COVID-19 / 追跡調査 / ケニア / 中等教育 / 高等教育 / 政策文書 |
Outline of Annual Research Achievements |
アフリカにおける基礎教育の急速な拡大により、中等教育を修了する人々が増加している。アフリカ諸国では、これらの人々に対し、高等教育へのアクセスを提供するという社会的プレッシャーにさらされている。国際社会は、過去30年間、アフリカ諸国の教育機会を充実させてきた。しかし、中等教育修了してもなお、その学歴に見合う労働機会が十分に用意されていない。このため、高等教育において教育を継続する必要が生じている。以上の状況を踏まえて、本研究では、ケニア西部の農村部にある通学制中等学校の卒業生に焦点を当て、人びとが卒業後にどのように就学を継続しているかを明らかにすることを目的とした。現地調査は初年度の2019年に実施し、そこで得た研究成果は国際会議での発表を通じて分析を進めており、現在は論文の執筆に取り組んでいる。 COVID-19の影響により2021年度も現地調査を行なうことができなかったものの、SNSを通じて調査協力者との連絡を取り、新たに日報調査法およびZoomによるオンラインインタビューを実施した。これによりコロナ禍の大学生の状況を把握するとともに、2019年調査以降の変化についてフォローアップすることができた。 また、COVID-19の影響によって、ケニアの教育現場がいかに機能しているかについても追加的な情報収集を行い、Web記事および書籍において発表するなどした。くわえて、近隣諸国のマラウイやウガンダとの比較分析を行なった英語論文(共著)も発表した。そのほか、教育政策文書および国家ビジョンの文書分析を通じて、ケニアの教育制度の方向性についても概観し、英語論文(共著)として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は現地調査は不可能であるという見通しがあった。COVID-19の状況および、大統領選挙の影響が想定されたためである。このため、政策文書の分析やオンライン調査など、現地調査以外の方法で研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となるため成果として論文執筆を進める予定である。引き続きオンラインでの調査を継続し、2022年度末には現地調査の可能性も検討する。
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Causes of Carryover |
COVID-19により現地調査を実施できなかったため。次年度は現地調査の可能性も検討しつつ、オンラインでの調査を継続しながら謝金や英文校正費用、書籍購入費用として使用予定である。
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Research Products
(10 results)