2021 Fiscal Year Research-status Report
小学校における議論を展開する力の育成に向けた指導内容の整理と指導法の開発
Project/Area Number |
19K23342
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
北川 雅浩 熊本大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (10846869)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
|
Keywords | 議論を展開する力 / 小学校中学年 / カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は小学校6年間を対象とした議論を展開する力の育成に向けたカリキュラム開発を目的としている。2021年度は、小学校中学年段階を対象とし、先行研究の位置付ける指導内容から前後の発達段階との接続を検討し、議論を展開する力として意図的な指導の必要な事項を整理した。また、これらの力を児童はどのように発揮し、どういった課題が見られるかについて、実践データを分析し、実証的に明らかにした。これらの内容は、熊本大学教育学部紀要70号に「小学校中学年段階での話し合いを展開する力の育成に関する検討」として載録されている。 さらに、実践開発に資するために必要な条件整備について実証的方法で検討した。実践データを指導の手立てと児童の話し合いトランスクリプトとを関連づけて分析し、どのような学習環境や手立てが議論を展開する力の発揮や失敗につながったのかを検討した。この内容は『熊本大学教育実践研究 39号』に「話し合いを展開する力の活用を促す指導の要件の検討 -小学校4年生を対象とした実践からの導出ー 」として収録されている。 これらのことから、2021年度の研究を通して、小学校低・中・高学年それぞれの段階での育成すべき要点が明らかになったと言える。実際の指導に生かしやすくするため、授業内での一斉指導や個別学習で話し合いの展開について考えるためのデジタルコンテンツの開発を進めている。コロナ感染状況の拡大により有効性の検証が行えなかったため、次年度の課題とする。 さらに、研究内容を広報するため、『初等教育資料 1016号』に「議論を通して考え合うための〈議論展開能力〉の育成」として特集記事を執筆し、掲載された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染状況の拡大により、新たな実践開発・実施が行えておらず、意図的な指導の有効性が検証されていないため。
|
Strategy for Future Research Activity |
コロナ感染状況の推移を注視しながら、可能な時期に附属小学校に協力を依頼し、実践開発と有効性の検討に取り組む。実践が難しい場合は、議論展開を捉える力のテストと学習コンテンツを作成し、個々の認識力への影響を検討することとする。 それぞれの発達段階の重点的指導事項のつながりについて検討し、カリキュラムのモデルプランを開発する。具体的な指導方法の例を加えた冊子を作成し、教育現場に共有できるようにする。
|
Causes of Carryover |
2021年度は実践開発とデータ収集ができなかったため、必要機材等に関する費用や開発した実践についての配布資料費等が残額として残っている。2022年度はそれらの実施をし、費用を使用する計画である。
|
Research Products
(5 results)
-
-
-
-
-
[Book] 学習会話を育む2021
Author(s)
ジェフ・ズィヤーズ、北川雅浩、竜田徹、吉田新一郎
Total Pages
312
Publisher
新評論
ISBN
9784794811950