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2019 Fiscal Year Research-status Report

自由ヴァルドルフ学校における造形教育の世界的展開に関する研究

Research Project

Project/Area Number 19K23353
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

吉田 奈穂子  筑波大学, 芸術系, 助教 (80844711)

Project Period (FY) 2019-08-30 – 2021-03-31
Keywords自由ヴァルドルフ学校/シュタイナー学校 / 国内外の動向調査 / 100周年記念イベント / 乳幼児教育の実際 / 課題と展望
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、芸術を学校教育全体に浸透させるという思想の下で教育活動を行っている、自由ヴァルドルフ学校における造形教育に着目し、そのカリキュラムと具体的な造形教育の内容を国内外の学校の比較分析から、造形教育の本質と各国における造形教育の独自性と展開を解明することを目的としている。
最初の学校がドイツに創設されてから2019年に100年を迎えた自由ヴァルドルフ学校は、世界66か国に1182校広がっている。各国での自由ヴァルドルフ学校において造形教育がどのように展開されているのかを明らかにすることで、日本の公教育における、教科によって細分化されたコマ切れの教育への警笛を鳴らすとともに、今後の造形教育に対して新たな示唆を得ることを目指している。
初年度は主に国内および国外における自由ヴァルドルフ学校の現状把握と各地域、国ごとの展開の解明に取り組んだ。
まず、国内においては、自由ヴァルドルフ学校100周年の記念イベントやそれと関連して行われた講演会などに参加し、現場で働く教員らの話を聞く機会を得た。そこから、現在の自由ヴァルドルフ学校が抱えている問題と、これからの展望を知ることができた。近年国内では、ヴァルドルフ教育を実践する学校だけでなく、乳幼児教育施設が特に増加傾向にあることが分かったため、愛知県にある2つの施設を訪問し、参与観察と保育者への聞きとり調査を行った。国内の保護者のニーズや要望に寄り添いながら、本来のヴァルドルフ教育を実践しようとする、国内の乳幼児教育施設の実態を明らかにすることができた。
国外に関しては、ヴァルドルフ教育発祥の地であるドイツを訪問し、現地で資料収集と学校訪問、観察、聞き取り調査などを行った。自由ヴァルドルフ学校が節目の年を迎える度に発行されてきた貴重な資料や100周年記念式典用につくられた非売品の冊子やパンフレットなどを手に入れることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度に計画していた国内外における調査はおおむね実行できたため。

Strategy for Future Research Activity

現在、新型コロナウイルス拡大の影響で、当初予定していた国外のヴァルドルフ学校の訪問調査の見通しが立たない状況である。主に各学校の独自性の解明と学校の取り組みの調査が、次年度の予定であったが、遠隔で各国の実践の独自性を明らかにできないか、研究方法と計画を検討し直している。
現在は、一般向けに販売されているものだけではなく、校内や保護者、学校関係者向けにつくられている非売品の冊子を集めたり、2月の訪問で得られた研究資料を使って研究を進めている。
初年度のドイツにおける調査では、ルール・ボーフム大学の教育学の研究者と研究交流することができた。訪問予定であった各国の自由ヴァルドルフ学校の教員とも連絡を取り、しばらくは感染者数や町や学校、子供たちの様子などの把握に努め、状況を見ながら臨機応変に対応していきたい。場合によっては,アンケート調査やskypeなどを使ったインタビュー調査も導入しながら研究を遂行していく。

Causes of Carryover

私物のパソコンと印刷機などがまだ使用可能であったので、それらを優先的に使っていた。3月1日から勤務先が変わったため,その引っ越しや着任後の手続きのため、今年度中に購入予定であった物品をそろえることができなかった。
しかしながら,使用していたパソコンのUSBの接続不調や印刷機の紙を送るローラーなどに不具合が発生しているため、購入を見送っていた物品は、4月から順次購入する。次年度では、ヴァルドルフ教育のみならず、芸術教育・工芸教育・美術教育関連の研究資料や、国内外の教育に関する研究資料の購入に加え,研究成果をまとめるための印刷用紙、複合機やトナー、研究調査先で使う電子機器の購入,研究資料の整理のための簡易製本機やドイツ語の翻訳ソフト、USBメモリ、国内外での訪問調査や研究発表のための旅費などに使用する予定である。

Remarks

ルールボーフム大学にて行った研究交流会について大学のHPに記事と写真が掲載されています。

  • Research Products

    (5 results)

All 2020 2019 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Book (1 results) Remarks (1 results)

  • [Int'l Joint Research] ルール大学ボーフム(Ruhr-Universitaet Bochum)(ドイツ)

    • Country Name
      GERMANY
    • Counterpart Institution
      ルール大学ボーフム(Ruhr-Universitaet Bochum)
  • [Journal Article] 東アジアのシュタイナー学校における造形教育の展開2020

    • Author(s)
      吉田 奈穂子
    • Journal Title

      美術教育学

      Volume: 41 Pages: 353-364

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] シュタイナー学校における造形教育の意義―学校法人シュタイナー学園の実践に着目してー2020

    • Author(s)
      吉田 奈穂子
    • Journal Title

      研究論集

      Volume: 111 Pages: 233-250

    • Peer Reviewed
  • [Book] シュタイナー学校における造形教育の実践―日本の公立小学校の図画工作科への導入をさぐる―2019

    • Author(s)
      吉田 奈穂子
    • Total Pages
      111
    • Publisher
      NSK出版
    • ISBN
      4-921102-49-4
  • [Remarks] "Gast aus Japan am IfE"

    • URL

      https://ife.rub.de/

URL: 

Published: 2021-01-27  

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