2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K23355
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
隅田 姿 広島修道大学, 国際コミュニティ学部, 准教授 (80843804)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 教師 / モザンビーク / 援助要請 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、モザンビークにおける大学生の援助要請行動を解明することを目的に、1年目は文献調査と分析枠組みの構築、2年目はデータ収集、分析、発表および執筆を行う計画で実施されている。1年目は、国内外においてコロナウイルス感染が流行し、主要な学会への参加が出来なかったものの、予定していた文献調査と分析枠組みの構築までを行うことができた。 2年目の本年度は、データ収集、分析、発表および執筆という3つのことを行う予定であったが、データ収集のみとなった。当初の計画では、データ収集は、申請者がモザンビークに赴き、対象である大学生に質問紙を配布し、その場で回答を得るという工程を予定していたが、コロナウイルス感染の流行のため渡航が難しくなったため、モザンビークにいる研究協力者2名(個人コンサルタントと大学教員)にデータ収集を委託した。回答を得た質問紙はソフトコピーとハードコピーの両方で送ってもらった。ソフトコピーは、研究協力者のスマートフォンで写真をとりLINEもしくはメール添付で送ってもらい、原本は船便で郵送をしてもらった。回答数は全部で298となった。 その後、申請者の所属大学において3名の学生を研究アシスタントとして雇用し、回収した質問紙の回答をエクセルに入力する作業を依頼した。欠損値や不自然な回答(全ての答えが1もしくは5の回答、同一人物と思われる回答など)を除き、最終的な有効回答数は285となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染の流行により申請者の渡航が出来なくなり、モザンビークの研究協力者にデータ収集を委託したため研究遂行に遅れがでた。 具体的な理由としては、質問紙の郵送に時間がかかったことである。モザンビークの研究協力者は自由に使えるプリンターを持っておらず、多くの質問紙を印刷することができない状態であったため、申請者が日本で予定サンプル数である400部を印刷し、モザンビークにEMS便で郵送をした。質問紙をオンラインのもの(Google FormsやSurvey Monkeyなど)にすることも検討したが、モザンビーク大学生のインターネット環境(ほとんどの家庭でインターネットがない、スマホは持っているがデータ容量に制限があるなど)を鑑み、紙媒体のままで行うこととした。回答を得た質問紙はソフトコピーとともに、原本であるハードコピーも船便で送り返してもらった。結果、モザンビークへの質問紙の郵送とモザンビークからの回答紙の郵送で約4か月かかった。 もう一つの理由としては、データ収集に予定以上の時間がかかったことである。本研究の研究対象は大学生で、計画では大学にいる大学生に質問紙調査を行う予定であったが、モザンビークの大学が、2020年4月からコロナ感染流行に伴い、授業がオンラインもしくは休校になったため、それが出来なかった。またデータを集める研究協力者に関しても、国内の一斉外出制限(9時以降は外出禁止)があったため、短期間でのデータ収集は困難であった。このような理由により、本研究の実施に遅延が出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はコロナウイルス感染の流行により2年次の研究が遅延していたため、1年の期間延長の申請をし、承認された。3年目となる次年度は、2年次の後半に予定していた分析と発表および執筆を行う。 分析に関しては、1年目の文献調査によって、援助要請志向には、抱えている問題の種類が特に大きく関連することが明らかになったため、モザンビークの大学生が抱えている問題の種類をまずは詳細に分析を行う。サンプル全体での問題の種類とともに、男女、年齢、地域別での分析も加える。その後、援助要請を行うかどうかに関して問題の種類ごとの検証を行う。 発表と執筆に関しては、2021年6月の日本比較教育学会で暫定的な分析結果を口頭発表し、関連研究者からの意見を仰ぐ。その後、11月の国際開発学会で最終的な分析結果を口頭発表し、さらに英語論文にまとめて2022年1月中に国際論文集(Journal of Adolescenceを予定)に投稿する。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染の流行により、モザンビークへの渡航と国内外の学会発表が出来なくなり、そのための旅費が使用されなかった。次年度においても、おそらく旅費の使用はできない可能性が高いため、申請に代わってデータ収集を行っている研究協力者への支払いとして使用する予定である。
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Research Products
(3 results)