2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K23355
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
隅田 姿 広島修道大学, 国際コミュニティ学部, 准教授 (80843804)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 援助要請 / 教師 / モザンビーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、モザンビークの大学生における援助要請行動を解明することを目的にしている。具体的には、モザンビークの大学生は誰に援助を求めているのかということと、どのような要因が援助を求める(もしくはためらう)行動に繋がっているのかという2つの問いを追求する。研究実施の計画としては、①文献調査を行い、②それに基づいて分析枠組みを構築し、③モザンビークへの現地調査によるデータ収集をし、④分析をし、⑤執筆をして発表する、という流れである。 本研究は当初2年の計画であったが、2年延長をし4年間での実施となっている。その理由としては、2年目に実施予定であった、③のモザンビークへの現地調査によるデータ収集が、コロナパンデミックのため難しくなったため、現地研究協力者の協力を得て郵送によるものに変更したためである。結局、データ収集に想定以上の多くの時間がかかったものの、予定していたサンプル数を収集はできている。 これらの経緯を経て、本年度(2021年度)の研究実績は④の分析を行った。暫定的な分析結果では、モザンビークの大学生は大半の学生(71%)が援助要請を行っており、援助要請をしない学生は少数派(12%)であった。援助要請の有無は抱えている問題により異なり、学習に関することについては援助要請をする傾向があるが、日常的なことや将来のことに関しては援助要請をしない傾向が見えてきた。また、援助要請をしない要因として、自分で解決したいというポジティブな要因と、自分が問題を抱えていることを開示したくないというネガティブな要因の、2つの側面があることが明らかになった。 この暫定的な分析結果を日本比較教育学会で口頭発表をし、関連分野の専門家からのコメントを得ることができた。今後はこれらのコメントをもとに分析の精査と考察を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は当初2年の計画であったが、コロナパンデミックの影響で、2年延長し、4年間で実施をしている。延長の理由は、2年目に予定していたモザンビークに渡航して行うデータ収集を郵送によるものに変更したためである。当初予期していなかったコロナパンデミックという事態で、データ収集に多くの時間がかかったものの、2年の延長で対処したことにより、現在は当初計画における最終年度の後半部分にある状況であり、おおむね順調であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はコロナパンデミックにより2年次の研究が大きく遅延し、2年の期間延長をした。4年目となる次年度は、当初計画の2年次の後半に予定していた分析と発表および執筆を行う。具体的には、暫定的な結果を口頭発表した際に得た、関連分野の専門家からのコメントをもとに、分析結果の精査を行っていく。また、考察部分に関しては、本研究の対象であるモザンビークの大学生に対して、追加的にインタビューを行うことを深めていく。本年度は、これらの成果をまとめ、英語論文として執筆・発表をする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、主にコロナパンデミックのため、研究計画において予定していたモザンビークへの現地調査がでず、旅費の執行ができなったためである。 次年度使用額は、学会参加のための費用(国内旅費と参加費)と英語論文の英文校正費として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)