2019 Fiscal Year Research-status Report
A Study on the Separation Anxiety of Infants at the Attending the Nursery: Focus on the Relationship between Infants, Nursery Teachers and Parents
Project/Area Number |
19K23356
|
Research Institution | Hiroshima Cosmopolitan University |
Principal Investigator |
本岡 美保子 広島都市学園大学, 子ども教育学部, 講師(移行) (20850803)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
Keywords | 不安指数 / 不安パターン / 不安強度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、乳児の登園時の分離不安の解消及び継続過程を調査し、その要因を検討することを目的として実施しているものである。2019年5月から研究協力園において、登園時の1歳児の状況を、改訂した直後不安反応尺度によって計測してもらい、その結果を集計した。また、登園場面の観察及び保育者へのインタビュー調査を月1回程度の割合で行い、保護者へのアンケート調査を行った。現在は、5月から12月までの直後不安反応尺度の集計と、2種類の分析が終了している。 1つは、クラス全体における不安強度の月平均値(不安指数)と月別の不安強度の割合から、研究協力園の1歳児クラスの傾向を分析したものである。園生活の継続とともに不安指数が下がっていったものの、園生活にも慣れたと考えられる9月になって不安指数が高くなっていたこと、また、11月に強い不安を示す割合が高くなっていたことがわかった。このことから、1歳児クラスの傾向として、登園の不安は入園当初だけではなく、その後にも現れる可能性があること、とりわけ園生活にも慣れてきた後半になって強くなる可能性があることが示唆された。 2つは、乳児一人一人の年平均と月平均とを比較し、不安傾向を類型化したものである。5月の不安の表れ方と、その後の経過とで分類したところ、5つの不安パターンを見出した。この5つとは、①5月は不安指数が高く、一旦下がるものの、調査期間の前半(7月から9月)で再び上がった②5月は不安指数が高く、一旦下がるものの、調査期間の後半(10月以降)に再び上がった③調査期間中、徐々に不安指数が下がっていった④5月は不安指数が低く、その後も波が少ない⑤5月は不安指数が低いが、調査期間の後半に上がった、である。 今後は、観察及び保育者へのインタビュー、保護者アンケートをまとめ、上記の結果との関連から、不安の解消要因や出現要因に関する考察を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
主に、学会発表とデータ処理において、遅れが生じている。 学会発表に関していえば、今年度発表を予定していた国際学会2つが、COVID-19拡大防止の観点から延期となってしまった。また、発表原稿の採択の可否に関する連絡も、未だ来ていない。COVID-19による影響が、今後どこまで続くかわからないため、国内学会での発表に切り替えて行う予定であるが、海外学会に提出済みの原稿が採択されるかわからない状況の中、また国内学会も軒並み延期される中、実際に学会発表を行うことができるか、不透明な状況である。こうした中ではあるが、11月に予定されている日本小児保健協会学術集会と、日本乳幼児教育学会での発表が決定しており、現在はその発表に向けて準備をしているところである。 データ処理に関しては、COVID-19拡大防止のために遠隔授業となったことで、教育業務の負担が予想以上に大きくなり、遅れが生じてしまっている。また保護者へのインタビューを予定していたが、現在、感染予防への配慮から、インタビュー時期を調整中である。今後はデータ処理のための雇用も視野に入れ、年度内に分析結果が示せるようにしたいと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進に関しては、以下の2点を考えている。1つ目は、COVID-19の拡大防止の観点から延期していた保護者へのインタビューを、感染予防に配慮しながら行なうことである。2つ目は、遅れが生じているデータ処理を、人を雇用するなどして補うことである。この2点を中心に、研究を進めていきたいと考える。 現在の課題としては、学会発表がままならない点である。研究の成果を発表し、専門家からの助言を受けることは、研究にとって重要なことであると考えるが、相次ぐ中止や延期により、いつ発表できるかわからない状況が続いている。国内学会の動向に注意し、発表の機会があるようであれば、積極的にエントリーしたいと考えている。
|
Causes of Carryover |
3月末に予定していた保護者インタビューが、COVIDー19により延期となり、それに関わる費用が次年度に持ち越しとなったため、繰越金が生じた。2020年度は、予定していた2名の保護者へのインタビューを行い、それに関わる経費として使用したいと考えている。 また、2020年の4月からは、COVIDー19の影響で、学内での研究活動が一時的にできなくなった。今後も同様の事態が予想されるため、データ処理に関わるノートパソコンの購入、及び、データ処理ののための人材雇用に、経費を使用したいと考えている。
|
Research Products
(2 results)