2021 Fiscal Year Research-status Report
社会構造の変化が恩送りの心理的メカニズムに与える影響の検討
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19K23372
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
白木 優馬 京都橘大学, 健康科学部, 助教C (90845231)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 感謝 / 恩送り / サンクスカード |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は,研究協力先のデイサービス施設での縦断調査を実施していた。しかし,新型コロナウイルスの影響から,当該施設での調査の実施を断念せざるを得なかった。代替措置として,昨年度から継続中であるサンクスカードの分析について,テキストマイニングの手法を用いた質的な分析を試みた。従来の研究で明らかにされてきた感謝の感情と負債感の感情の共起について検討したところ,サンクスカードとして負債感が伝えられたのは,介入初期のみであり,時期を経るごとに負債感に関連する表現は減少した。加えて,初期であっても,カードの中で感謝と負債感の表現が共起することは少なく,どちらかが選択的に表出される傾向があることが分かった。ここから,カードを使った介入においては,二つの感情が共起することが少ないこと,その結果として恩送りのような向社会的行動が拡散されやすい可能性が明らかにされたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響で,縦断調査の実施を断念せざるを得なかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
実施計画の大幅な見直しをおこない,オンライン調査・実験などの代替措置によって,仮説モデルについて検討する予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進捗に遅れがあったため,当初予定していた旅費および人件費の執行ができなかったため。
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