2021 Fiscal Year Annual Research Report
The effects of attention control and cognitive processing for menstruation-related symptoms on psychological sufferings
Project/Area Number |
19K23374
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
稲吉 玲美 広島修道大学, 健康科学部, 助教 (30843825)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 月経随伴症状 / 心理的苦痛 / 内受容感覚 / 認知的対処 / マインドフルネス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、月経随伴症状という固有の現象への注意の向け方と認知的傾向の特徴およびそれらの相互作用を実証的に解明し、マインドフルネス・プログラムの月経随伴症状への適用に資する知見を得ることである。 <研究1: 認知的対処方略と月経随伴症状による心理的苦痛との関連> 月経随伴症状への対処方略に関する測定尺度(「対処を考える」「受け流す」「無視する」「祈る」の4因子)を作成した。積極的に「対処を考える」者ほど症状を負担に感じていることが示され、対処が奏功しないことによるさらなる対処の検討と負担感の増幅の悪循環があることが考えられた。また、症状を「受け流す」対処方略については,対処可能性の低さによって取らざるを得ない結果としてなのか,女性自身が意図的に用いるのかによって,負担感への影響が異なる可能性が考えられた。 <研究2: 内受容感覚への感受性と月経による苦痛およびウェルビーイングとの関連> 月経随伴症状への注意の向け方の特徴として、内受容感覚への感受性の高低および気づきへの態度に着目し、月経随伴症状による心理的苦痛およびウェルビーイングとの関連を検討した。内受容感覚への感受性が高い者はウェルビーイングが高い一方,月経随伴症状による心理的苦痛の程度も高いことが示唆された。月経随伴症状による心理的苦痛の低減にあたっては,周期による心身の変化に対する感受性を高めるとともに,内受容感覚への感受性の高さと対処行動をとる傾向との間の関連について、不快な症状に対してありのままに受容する態度を培うことの有効性が考察された。 以上より、マインドフルネス・プログラムによって症状の存在をありのままに受け容れる態度を促進することが、女性のウェルビーイング向上に有用であることが示唆された。
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