2022 Fiscal Year Annual Research Report
Practice of Return-to-work Program based on Cognitive Remediation.
Project/Area Number |
19K23379
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
落合 舞子 (川崎舞子) 東京大学, 相談支援研究開発センター, 特任助教 (80844018)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | うつ病 / 認知機能 / リワークプログラム / 復職 / 認知リハビリテーション / 休職 / 職場復帰支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、うつ病などのメンタルヘルス不調により休職している患者に対し, 認知リハビリテーションを取り入れたリワークプログラムを実施し、うつ症状および認知機能の変化を検討することであった。2022年度は、本プログラムの効果をより客観的に評価するため、健常群を対象にデータ収集を行った。健常群は「データ収集時点で就労中であり、かつ過去3年間精神疾患の診断や治療を受けていない者」とし、臨床群(本プログラムの参加者)に行ったものと同じ内容の心理検査を実施した。データ収集は研究者と1対1の対面で行い、2023年3月までに25名のデータを収集した。BDI-Ⅱまたは新版STAIの状態不安がカットオフ値を上回った3名を除外し、22名を健常群のデータとし分析した。年度末までデータ収集を継続したため、学会発表や論文での成果発表は2023年度以降に行う予定である。 研究期間全体を通して、プログラム参加者は37名であった。リワークプログラムは復職の準備を具体的に始める段階であり、回復期から寛解期の間に参加する場合が多い。そのため、プログラム参加時に認知機能障害があまり見られない参加者もいたが、一部の認知機能にプログラムの前後で有意な改善がみられた。認知リハビリテーションは高次脳機能障害や統合失調症を対象とした介入として発展してきた背景があり、休職中のうつ病患者の認知機能障害の詳細や、適切な認知リハビリテーションの実践方法について検討することも本研究の目的のひとつであった。実践するうえで、参加者の動機づけ維持や、うつ症状の特徴を考慮した作業内容の工夫の必要性など、従来の方法を当てはめることには課題が多くあることが示唆された。
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