2019 Fiscal Year Research-status Report
Examination of the process of rumination based on the scope of attention
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19K23385
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 秀樹 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 助手 (30849097)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 反すう / 注意の範囲 / 抑うつ / 認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,注意の範囲という認知的情報処理に焦点を当てたうえで,反すうの持続過程を検討することが目的である。本研究は大きく2つの研究で構成され,研究1では,思考内容の感情価と思考の持続時間の観点から反すうを実験的に操作し,注意の範囲に及ぼす影響を検討した。注意の範囲を測定する課題は,複数の先行研究でも用いられており,視空間注意を客観的に測定することができると考えらえたため,Attentional Breadth Taskで実験刺激を変更したものを用いた。本研究のデータ収集はすべて終了しており,その結果,第1に,ネガティブな話題を長く考える操作を行うと状態反すうを測定する尺度の得点が悪化し,実験操作の妥当性が確認された。当該の研究成果は,日本認知・行動療法学会第45回大会と日本健康心理学会第32回大会で発表され,後者の学会では大会優秀発表賞(若手奨励部門)を受賞した。第2に,ネガティブな話題を長く考えると,注意の範囲が狭くなることが示された。これらの結果は,現在査読付きの学術誌に投稿中である。 研究2では,ネガティブ気分下での注意の範囲の狭小化が反すうに及ぼす影響を検討した。注意の範囲を操作する際に用いた課題は,研究1と同様にAttentional Breadth Taskで実験刺激を変更したものを用いた。本研究のデータ収集はおおむね終了しており,その結果,注意の範囲を狭める操作を行うと,状態反すうが悪化する可能性が示された。当該の研究成果は,学会での研究発表と査読付きの学術誌に投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究1については,当初の予定よりも早く,データ収集・データ解析・論文化まで終えており,現在査読付きの学術誌に投稿中である。また,研究2についてもおおむねデータ収集とデータ解析までを終えているため,当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の研究の推進方策として,第1に,研究1の論文投稿が受理されることを目指す。第2に,研究2のデータ収集・データ解析・論文化までをすべて終え,査読付きの学術誌への投稿までを完了させることを目指す
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Causes of Carryover |
研究に関する書籍などの物品費が想定よりも高く,当該年度に購入予定だったデータ解析用デスクトップパソコンを購入しなかったために次年度使用額が生じた。次年度では当概念で購入しなかったデータ解析用パソコンを購入予定であるが,使用計画の範囲内で対応することができる。
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