2019 Fiscal Year Research-status Report
共感性トレーニングによる自閉スペクトラム症者の不安軽減および共感性向上の効果検証
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19K23387
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Research Institution | University of Human Arts and Sciences |
Principal Investigator |
吉田 昌宏 人間総合科学大学, 人間科学部, 助教 (10850901)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 |
Outline of Annual Research Achievements |
ASD者の中核症状に共感性の問題があり,共感性の問題が高いほど不安障害の併発率が高くなることが示されている。ASD者特有の不安を明らかにする尺度が米国において開発されている。しかしASD者特有の不安を明らかにする尺度は日本語での開発が行われていない。そこでASD者特有の不安につながるストレス要因を個別に測定する尺度の開発を目的として,ASD者特有の不安を明らかにする尺度の日本語版を作成することを,本研究の目的の一つとして計画している。2019年9月に,日本語への翻訳および原著者へのバックトランスレーションの確認が終了し,尺度の日本語訳は完成している。また,所属大学の倫理委員会からの研究の許可を2019年12月に取得済である。尺度開発に必要なデータ収集をリサーチ会社に依頼,収集が完了している。しかし,研究計画で予定していた,尺度開発に必要な再検査信頼性のためのデータ収集のために利用する施設が,新型コロナの蔓延に伴う緊急事態宣言によって利用中止となったため,リサーチ会社へ再検査信頼性の確認のための調査の再依頼を行っており,結果は2020年6月下旬に出る予定である。 また,共感性トレーニングの効果指標としてASD者特有の不安を明らかにする尺度を使用し,その効果の測定を行うが,共感性トレーニングに使用する,英文スクリプトの日本語訳および日本語ナレーションの作成は2019年10月に完了済である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナの蔓延による緊急事態宣言により,調査および介入のためのリクルーティングを予定していた施設の利用が中止され,調査に関しては調査会社の利用を行ったために,当初のスケジュールより進捗が遅れている。また,介入のリクルーティングに関して,新型コロナの蔓延につき,施設の利用が中止されていたため,進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
尺度作成に必要な再検査信頼性を確認するため,調査会社に依頼中の調査が6月下旬に完成予定である。必要な調査が完了次第,データの分析および論文作成を行い,尺度作成に関する論文を8月に投稿予定である。 また,共感性トレーニングについて,現在リクルーティングの準備を進めている。所属大学の倫理委員会からの許可が下り次第,研究に必要なリクルーティングを行い,データは2020年度12月を目途に得る予定である。データ取得後,直ちに分析および論文執筆を行い,論文投稿は2021年2月を予定としている。 課題として,共感性トレーニングのリクルーティングまでに,新型コロナによる緊急事態宣言が再度宣言され,リクルーティングを行う施設の利用が再度,中止される可能性がある。その場合,予定している施設のHPにてリクルーティングのアナウンスを行ってもらうように対応を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナにおける緊急事態宣言により予定していた施設における研究協力者のリクルーティングが遅れたために発生した。使用計画については,研究協力者への謝金および研究発表で使用する予定である。
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