2020 Fiscal Year Annual Research Report
共感性トレーニングによる自閉スペクトラム症者の不安軽減および共感性向上の効果検証
Project/Area Number |
19K23387
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Research Institution | University of Human Arts and Sciences |
Principal Investigator |
吉田 昌宏 人間総合科学大学, 人間科学部, 助教 (10850901)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 不安 / 共感性トレーニング / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、環境から影響を受けやすいASD者が不安を感じやすい項目を可視化する尺度として開発されたStress Survey Schedule(Groden et al.,2001)の日本語版を開発し、その尺度を使用してASD者の不安との関連が指摘されている共感性との関係を調査した後、ASD者の不安の軽減効果が見込まれる共感性トレーニング(Klimecki et al,2012)を実施することであった。 SSSの開発として、原著者の許可を得た後、第二著者とバックトランスレーションを実施して、日本語の原案を作成した。また、インターネット調査会社に依頼し、調査研究者600名からの協力を得て、尺度開発を行った。尺度開発では、確認的因子分析を目的として構造方程式モデリングでの因子構造を確認したところ、原版と同じ7因子構造が確認された。また、因子分析を行ったところ、日本語版独自の2因子構造であることが明らかとなった。現在、尺度開発の研究について論文投稿済、査読中である。 尺度開発とともに、SSSで測定される不安と共感性、自閉の程度を調べた所、SSSと共感性の間には相関は認められず、自閉傾向が高まるほどSSSで測定される不安が強くなることが明らかになった。こちらの結果も現在、論文投稿済、査読中である。 共感性トレーニングについては既にナレーションの翻訳、およびナレーターによるナレーションの作成が完了し、研究依頼を行っている施設の許可を得ている。また、所属大学の倫理委員会からの許可も得ている。しかし、現在コロナ禍において介入研究が出来ない状況にあり、研究は完了していない。緊急事態宣言が解除され次第、介入を実施、その結果を分析して論文投稿を行う予定である。
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