2023 Fiscal Year Annual Research Report
実解析と数値計算の手法による流体運動の振る舞いの解明及び数学理論の構築
Project/Area Number |
19K23398
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
許 本源 東京大学, 大学院数理科学研究科, 特任准教授 (40844816)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | Navier-Stokes方程式 / 竜巻型旋回流 / 渦度 / 圧力 / 幾何的正則性判定法 |
Outline of Annual Research Achievements |
非圧縮性粘性流体運動を記述する基礎方程式であるNavier-Stokes方程式に関わる重要な未解決問題の一つ「時間大域的可解性」はほかの問題と比べ純粋数学のみならず、数値計算及び物理現象とも密接に関連しています。本研究はNavier-Stokes方程式の解の正則性理論の数学解析及び流体物理実験の結果をもとに、局所的な構造の数値シミュレーションを行いました。本研究の目的は実際に起きている現象への応用を意識しつつ数値計算で流体運動の解の挙動(特に渦の振る舞い及び旋回流の時間発展)を考察すること及び数学理論の構築であります。主に「幾何的正則性判定法」など解の正則性及び関連問題の数学解析を行い、その結果を基に数値計算を展開し、手法を構築し成果を上げます。もっと詳しく述べると、Fefferman氏が3次元全空間で「渦度の方向が空間変数に対して、一様に連続であれば、たとえ渦度が大きくても爆発しない」という幾何的正則性判定法と言われる判定法を提唱しました。その幾何的正則性判定法の数学理論を基に、竜巻型旋回流(旋回を伴う双曲型流れ)を有限要素法で様々な振る舞いを考察しました。 竜巻型旋回流の数値シミュレーションについては軸対称の場合に、様々な初期速度及び境界条件において、渦度及び圧力の時間発展を考察できました。物理及び工学の分野からの手法と異なるアプローチで圧力と深く関連していると思われ様々な現象の考察ができました。さらに、初期速度及び領域、境界条件それぞれがどのように速度及び渦に影響を与えているかについても考察しました。
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