2021 Fiscal Year Research-status Report
Diffeomorphism and homeomorphism groups of 4-manifolds and gauge theory for families
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19K23412
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今野 北斗 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教 (20845614)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 4次元多様体 / Seiberg-Witten方程式 / Floer理論 / 群作用 / 微分同相 / 結び目 |
Outline of Annual Research Achievements |
スピン4次元多様体上のinvolutionに対するSeiberg-Witten方程式を用いた加藤佑矢氏の議論を,境界付き4次元多様体へ一般化し,新しい応用を得た.加藤氏の議論は,involution由来の(通常の同変理論の考察の対象とは異なる)対称性をSeiberg-Witten方程式が持つことを示し,その有限次元近似にK理論を適用するものだった.これを境界付き4次元多様体へ一般化するために,Seiberg-Witten Floer安定ホモトピー型を用い,加藤氏の議論を拡張するようなSeiberg-Wittenホモトピー論を境界付き4次元多様体に対して定式化した. 特に,これに然るべき同変K理論を適用することで,involution付きの境界付き4次元多様体に対するFloer K理論を定式化し,相対10/8型の不等式を得た.この枠組みを応用し,境界付き4次元多様体上の滑らかになれない群作用をdetectした.これは3次元多様体上の群作用が,トポロジカルには拡張するが滑らかには拡張しない例を与える. また,この枠組みを結び目とそれが張る曲面に対して適用することで,結び目に対するFloer K理論を得ることもできる.これを用いることで,stabilizing numberと呼ばれる結び目の4次元的な不変量が,滑らかなカテゴリーとトポロジカルなカテゴリーで差が出る例を初めて与えた.また,3次元球面を境界に持つ,定値とは限らない4次元多様体に対して,境界内の結び目が張る曲面の種数に下からの評価を与えた.これまではDonaldsonの対角化定理の一般化がこの問題に対する道具の主流であり,定値でない4次元多様体に対する結果は少なかったため,これは意義が大きい. 加えて,加藤氏の元々の議論の別の応用として,4次元におけるNielsen実現問題への反例を組織的に与えた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度末の目標の一部である,3次元多様体上の群作用の4次元への拡張問題に対する結果を得ることができ,しかもそれを含む形で昨年度までとは異なる新しい方向性の研究を開始・展開することができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度発展させたスピン4次元多様体上のinvolutionに対する議論を,スピンでない場合にも部分的に展開する.それらの応用として,スピンでない場合の群作用や,4次元多様体内の向き付け不能曲面の研究を行いたい.
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Causes of Carryover |
コロナ禍が長引き,今年度も研究出張を希望通りに行うことが叶わなかったため.次年度は出張の予定がやっと生じはじめたので,旅費に使用するつもりである.
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Research Products
(11 results)