2020 Fiscal Year Annual Research Report
Consideration of physical nature of Lagrangian including auxiliary variables in asymmetric dissipative systems
Project/Area Number |
19K23416
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石渡 龍輔 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (30850648)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 非対称散逸系 / 線形応答理論 / 自己駆動粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
自動車、歩行者集団、魚、鳥、昆虫などを個体として考えて、その集団の性質や運動を考えようとする試みが多くなされ、数理的なモデルも多数提案されている。本研究の大きな目的は、数理的なモデルを用い、魚や鳥などの集団に見られる動的な自己組織化パターンを創発する自己駆動粒子のエネルギーを考察することである。具体的には、非対称相互作用を含む非対称散逸系について補助変数を含む擬似ラグランジアンを構成し、得られたラグランジアンが自己駆動する個体のエネルギーとして妥当であるかどうかを調べること、構成した擬似ラグランジアンの幾何学的性質を考察することを研究内容とした。 本年度においては、上記の解析の前段階と位置付けられる「数理モデルであるOVモデルと線形応答理論を用いて、非対称散逸系の相関関係と外力に対する応答関係を調査」についての論文を執筆し、査読付きの学術誌に論文掲載された。論文の査読者との議論の結果、揺らぎの定理などへの発展可能性を考えている。 さらに、擬似ラグランジアンを構成する手法の調査と、擬似ラグランジアンの幾何学的な性質を考察する方法についての調査を主に行った。しかしながら、年度末までに非対称散逸系のモデルであるOVモデルのダイナミクスと擬似ラグランジアンの時間変化など解析しようと考えていたが、論文調査に多くの時間を要したため、解析についての進捗は芳しくなかった。そのため、今後とも本研究の大目的を実現させるべく、擬似ラグランジアンに関する解析は引き続き行う予定である。
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