2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of an active magnetic field compensation system for experimental searches of physics beyond the Standard Model
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19K23442
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
樋口 嵩 大阪大学, 核物理研究センター, 特任助教(常勤) (90843772)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 磁場安定化 / 素粒子物理学 / 原子核物理学 / 超冷中性子 / 中性子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、TRIUMF研究所における中性子電気双極子モーメント(Electric Dipole Moment, EDM)探索実験のための多次元フィードバックによる動的磁場安定化システムの開発を目指している。目標とする精度における中性子EDM測定には極めて高い磁場の安定度が要求されるが、これを加速器施設内において実現するためには、施設内の背景静磁場や変動磁場を打ち消す補償システムが必要となる。例えば、中性子EDM装置が設置される予定の施設では、サイクロトロンの漏れ 磁場による 100 uT オーダーの背景静磁場が存在するうえ、施設内の他の実験の活動や輸送用の天井クレーンの動作による磁場変動が発生する。強い静磁場は外部磁場を遮蔽するための磁気シールドを飽和させる恐れがあるため、補償システムが作り出す磁場によって打ち消す必要がある。またシールドの外側での外部磁場変動はEDM測定中は100 nT 程度までに抑える必要がある。本研究では、中性子EDM実験を行う予定の施設内に存在する環境磁場に即した補償システムを設計し、そのプロトタイプを製作することを目指している。
2022年度は、8-11月にTRIUMFに長期滞在し、動的磁場補償の主な対象の一つである天井クレーンについて、一辺5.5mの正方形型コイルと中心付近に配置された6個のフラックスゲート磁束計によるプロトタイプを構築し、動的磁場補償の試験を行った。その結果、PID制御のパラメーターを最適化することで、対象となる補償領域中心付近において、鉛直方向振幅約10 uTの磁場変動を6から7分の1にまで補償することに成功した。長期的にエリアにインストールするシステムについては、2023年11月にインストールする予定であり、それにむけての検討や部品調達を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的としていた、プロトタイプの補償システムによる動的磁場補償試験を完了した。ホール内に典型的に発生する天井クレーンによる磁場変動に対し、補償対象領域中心付近において約7の遮蔽係数を達成した。近い将来、実験施設に別のグループの超伝導磁石が新たに設置されることが予定されているが、シミュレーションの結果、これが新たな磁場変動源となることが分かった。2023年後半に完成する実機では、それにも対応したコイルを追加する方針で、検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験施設に新たに設置される予定の別のグループの超伝導磁石は、我々の実験エリアにおいて最大で約30 uTの水平方向に一様な磁場を発生させることが予想されている。これに対応するため、実機では水平方向の磁場補償のためのコイルも備えたシステムを設置するために、必要なシミュレーションや部品設計・調達を行っている。
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Causes of Carryover |
世界的なサプライチェーンの乱れの影響を受け、他の中性子電気双極子モーメント測定装置の他の主要装置である、磁気シールドシールドルームの製作が、大幅に遅延した。これに伴い、当該動的磁場補償システムのインストールも当初の予定よりも遅れ、2023年11月ごろを予定している。そのために、事業を延期し、2023年の装置インストールまでを行うことにした。
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Research Products
(24 results)