2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of dinoflagellate proxies for revealing mecanisum of red-tide formation
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19K23448
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
安藤 卓人 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 特任助教 (30852165)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 渦鞭毛藻 / Alexandrium / ラマン分光 / 赤外分光 / パリノモルフ / Palynochemistry |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,Alexandrium catenella/pacificumシストについて,顕微顕微ラマン分光分析(島根大学 医・生物ラマンプロジェクトセンター)を行なった。従来のレーザー(532nmなど)では自家蛍光を発するために分析が困難であったが,より高波長の785nmレーザーを用いることで世界で初めてAlexandriumシストのラマン分光分析に成功した。 一方,コロナウイルスの影響で,予定していたドイツ・ブレーメン大での研究はできず,ATR付きの顕微フーリエ変換赤外分光装置による分析を島根県産業技術センターで行なった。原形質の除去が上手く行なえずシスト壁の高分子測定は上手くいかなかったが,原形質由来のコンタミネーションについて検討でき,先行研究における問題点を理解できた。一方で,標準試薬の分析は上手くいき,赤外スペクトルの解釈に利用した。 スペクトル解析については,研究協力者のZonneveld 教授,Versteegh博士の両名と議論を行なった。形態の全く異なる渦鞭毛藻シストや他のパリノモルフを外群として加え,A. catenella/pacificumシストの高分子構造の特異性を評価したところ,Alexandrium catenella/pacificumシストはセルロースに近い高分子構造であるが,分枝状のヘミセルロース様の構造であることがわかり,他のシストより分解が早い理由が明らかになった。 また,パリノモルフのピッキングの効率化のために,自身の研究室に昨年度設置した顕微鏡に40倍対物レンズとCCDカメラを取り付けた。得られた成果については,国内やオンラインの国際学会で発表した。
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