2020 Fiscal Year Annual Research Report
太古代苦鉄質岩ジルコン・バデレアイトの3種局所分析による初期マントル進化解明
Project/Area Number |
19K23458
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
沢田 輝 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究プログラム), Young Research Fellow (10845100)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | ジルコン / 地球化学 / 鉱物 / 岩石 / マントル |
Outline of Annual Research Achievements |
微細かつ微量の苦鉄質岩に含まれるジルコン分離とその分析のために、設備や機器を購入した。重鉱物分離の効率的な作業のために、特注の分液ロートを作成した。双眼実体顕微鏡やその付属機器を購入したことによって効率的に微細な重鉱物の観察、分離を行うことができるようになった。分離したジルコンの樹脂包摂や研磨に必要な機材や消耗品についても揃えた。レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法によるジルコンのウラン鉛年代測定、微量元素組成およびハフニウム同位体比の局所分析手法について検討し、それらの立ち上げを行った。実際にこれらの設備を用いて、国内外でこれまでに採集してきた岩石試料からジルコンを分離、取得し、それらの一部について分析データを得ている状況にある。また、論文化できるような分析には至らなかったものの、多数の岩石試料を処理していく中で、ジルコンを含まない苦鉄質岩の傾向についての理解が進み、今後の研究の糧となる知見が得られた。一方で、新型コロナウイルス蔓延によって計画していた海外でのフィールドワークの多くが不可能になり、新規サンプルの取得が極めて難しい状況となった。またフィールドワークを代替するように、ジルコンの微量元素組成とハフニウム同位体比との関連などについて既存データ分析に力点をおいて研究をすすめるために、ワークステーションなどを新規に購入し、環境を整えた。また、ウラン鉛年代などの一部のデータについてはすでに論文として出版されている。
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