2020 Fiscal Year Annual Research Report
将来衛星多点観測ミッションを実現する小型・高性能な新型プラズマ波動観測器
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19K23464
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
頭師 孝拓 奈良工業高等専門学校, 電気工学科, 助教 (10846827)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | プラズマ波動観測器 / ASIC |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は本研究において実現を目指すプラズマ波動観測器専用アナログ回路の回路設計を中心に実施した。 先行研究で開発したアナログ回路において性能の足枷となっていた部分を再検討し、より最適な回路を設計した。物理レイアウトに先立ち、設計した回路についてシミュレーションによる検証を行った。その結果、設計した回路が製造時のMOSのばらつきの範囲内で正常に動作し求める性能を満たすことが確かめられた。また、回路の改良の結果、先行研究で実現した回路からダイナミックレンジ及び高調波歪みが改善したことを確認した。設計・シミュレーション検証を経た回路について、レイアウト設計を行った。回路の1chあたりの面積は3mm x 1.2mmとなった。 また、専用集積回路の広帯域化を目的とし、必要な回路コンポーネントの設計を行った。まず、集積回路内で特に重要なブロックであるスイッチトキャパシタフィルタの広帯域化のため、広帯域オペアンプの設計を行った。その結果、従来の回路で30 MHz程度であったユニティゲイン周波数を300 MHz程度まで広げることができた。 これにより、本研究において目標としていた波形捕捉型・スペクトル型の2種類の観測器を実現可能なアナログ集積回路の設計を確立することができた。アナログ回路はプラズマ波動観測器に最も重要な要素であり、今後実機での検証結果が十分なものであれば小型・高性能なプラズマ波動観測器の実現に大きく近づくといえる。
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Research Products
(2 results)