2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of measurement technique for liquid film thickness by using the optical fiber probe
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19K23485
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
水嶋 祐基 静岡大学, 工学部, 助教 (30844716)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 光ファイバープローブ / 液膜計測 / レイトレーシング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、蒸気タービン等の実機条件で実現可能な液膜計測法を世界に先駆けて開発し、従来法では困難な薄い液膜の測定を実現することである。 現行の液膜測定方法は、任意位置での液膜の厚さやその時間変動を実時間で捉えることが困難である。例えば、電気、超音波、レーザーを利用した膜厚測定が実用化されているが、時間分解能はkHzオーダーであり、界面が複雑に変動する場合等、測定される膜厚が時間平均的にならざるを得ない。加えて、実機環境ではS/N比の大幅な低下から十分な測定分解能を得られない。そのため、国内外のメーカー各社は多額の開発費を投じながらも、見えない液膜制御に苦慮しているのが実情である。 そこで本研究では、レイトレーシング、光ファイバーとレーザー技術の融合により、新規な液膜の光計測に挑戦する。光ファイバーは流路壁面と面一に挿入し、そこを流れる液膜の厚さを非接触計測する。この①液膜計測用光ファイバープローブ(OFP)のセンサ製作に係る最適設計パラメータをレイトレーシングシミュレータにて選定、②模擬液膜による検証実験、③風洞試験による検証実験、を研究テーマとして全2年間にて実施する。 当該年度は、全体計画の通り①~③を遅延なく遂行した。特にレイトレーシングは本研究の核となるテーマである。OFPが液膜界面を検出した際に現れる光信号をつぶさに分析し、センサの設計パラメータ決定や信号処理ルーチンの構築に反映する。レイトレーシングは光を光線として近似し、幾何光学に落とし込む方法である。その計算精度は光線の本数に依存するため、OFP内を伝播する光を精緻に分析するには計算コストがかかる。そこでGPUを活用した並列計算を導入し、計算負荷の低減や多条件でのパラメトリックスタディを実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画のマイルストーンに設定した項目はクリアしている。すなわち、①「100μm未満の液膜厚さに適したプローブ設計パラメータ(先端径、先端形状)を選定」が完了し、最終年度で予定している②模擬液膜による検証実験、③風洞試験による検証実験の装置構築も完了済であるため、計画通り進捗している。 また、①で得られた設計思想や信号処理方法を元にセンサメーカー等との共同特許を申請中であり、成果の外部発表に向けた準備も順調に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験による検証で完成する研究であるが、令和2年度の状況次第では十分な実験を行えない可能性もある。コーディング中のGPUレイトレーシングを用いたシミュレーションに時間をかけ、実験が行えない分は計算のバリエーションを増やしてカバー、検証が必要な実験条件を吟味する等、実験と計算のバランスを弾力的に調整する。 対面での研究ディスカッションが困難なため、専門家からの客観的な評価・意見に基づくブラッシュアップが今後の課題である。論文投稿を通じたピアレビューは貴重な意見収集の機会でもあるので、積極的に挑戦する。
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Research Products
(2 results)