2019 Fiscal Year Research-status Report
革新的ガスタービン実現に向けた燃料液膜流の微粒化機構解明
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19K23489
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
大島 逸平 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(数理科学・先端技術研究開発センター), ポストドクトラル研究員 (40851845)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | ガスタービン / 液膜微粒化 / 可視化計測 / 光学計測 / 噴霧粒径 |
Outline of Annual Research Achievements |
気流による液膜微粒化過程における横振動特性は、最終的な噴霧特性に強く影響を及ぼす。この液膜の横振動過程において、液膜に働く加速運動に誘起されたレイリー・テイラーの不安定性により、液膜界面に周期的な不安定波長(横波長)が形成すると考えられているが、この横振動機構が本当にレイリー・テイラーの不安定性によるものであるのか未解明である。レイリー・テイラーの不安定性が横波長形成に重要であるならば、液膜に働く複数ある加速運動のうちどの加速運動が横波長形成に強い影響を及ぼしているのかを把握することは横波長を予測するモデルを構築するうえで重要である。 そこで本研究では、可視化実験および数値計算といった複数のアプローチを用いることで液膜の横方向振動現象を明らかにして、機構論に基づく横波長の予測モデルを構築することを第一の目的とする。加えて、本研究で検討を進める横波長予測モデルを用いた機構論的噴霧粒径モデルを構築して、長期的には横波長と噴霧粒径の高精度予測の実現を目指している。 今年度は、最終的な評価項目である噴霧粒径の計測を主に行った。PDPA(位相ドップラー法)用いて噴霧粒径の計測試験を行い、噴霧粒径モデルの検証データとして重要である液滴径の計測結果を拡充した。また、噴霧粒径モデルのサブモデルのうち一項目について検討を行い、実験結果をもとにその妥当性検証を行った。その結果、検討すべき課題が多数残ってはいるものの、サブモデルにより現象を予測できていることを確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最終目標である噴霧粒径モデルの精度検証のために噴霧粒径計測を行い、必要なデータの取得を行った。また、噴霧粒径モデルのサブモデルのうち一項目の検討を進めることができた。一方、当初初年度中に数値計算コードの開発を終える予定であったが、その作業が終わっていない。 以上より、進捗状況としてはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度予定であった数値計算コードの開発を進め、早急に検証計算を行う予定である。また、数値計算の結果を評価するにあたり、必要に応じて実験装置の増強を行い、追加実験を行う。 その後、数値実験を行い、液膜流の横振動機構を実験と数値計算双方の観点からアプローチすることで現象解明を目指す。
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Causes of Carryover |
当初計算機を購入する予定であったが、所属の変更により計算機を購入する必要がなくなった。一方で、導入するレーザーをよりよいものにする計画を練ったが、選定に時間がかかってしまい未購入の状態である。最終年度において、実験装置のトラバース装置の材料購入とレーザの購入を検討している。
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