2019 Fiscal Year Annual Research Report
高精度なボイド率測定手法を適用した沸騰水素の熱流動特性の解明
Project/Area Number |
19K23504
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
坂本 勇樹 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 宇宙航空プロジェクト研究員 (50845774)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 水素 / 沸騰 / ボイド率 / 流動様式 / 熱伝達率 / 静電容量 |
Outline of Annual Research Achievements |
航空宇宙機の燃料として使われており,近年水素社会の実現に向けて,その需要が高まっている液体水素について,沸騰状態における高精度な計測制御を実現することを目的に,次の課題に取り組んだ. 【課題1】ボイド率計測技術に基づく沸騰水素の熱流動特性の解明:本年度は既存の沸騰水素流動試験装置の配管の改修を行い,テストセクション圧力を従来の300 kPaAから500 kPaAまで引き上げた.これにより流路径 15mmの水平流動条件について,流量・温度ともにこれまでに比較して広範囲のデータを得た.得られた結果から自身が300 kPaAまでの流動条件に対して提案した流動特性予測モデルが,500 kPaAまでおおむね適用可能であることを確認した.さらに,流動様式(気液二相流における気体と液体の混合様相)の判定に,撮影画像を用いた機械学習で分類可能であることを示した.さらに次年度には,圧力変化だけでなく流路径が流動特性に与える影響の評価が予定されており,内径10 mmの液体水素流動配管の設計と製作を行った. 【課題2】高精度・高信頼のボイド率計測技術の開発:測定精度の温度依存性低減とセンサーの機械的堅牢性向上を図るため,コネクター部と表面処理を除くオール金属の複数極板ボイド率計を検討している.本年度は,極低温域で使用可能な絶縁表面処理手法の調査と電場解析を用いた複数極板のボイド率計の設計方法の確立を行った.プロトタイプモデルの設計は完了しており,今後は常温での測定精度の評価,低温域での機械的堅牢性の評価,低温から高温までの測定精度の温度依存性の評価が必要である.
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Research Products
(4 results)