2020 Fiscal Year Annual Research Report
Study on decaying process of vacuum arc using real-time two dimensional spectroscopy
Project/Area Number |
19K23510
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中野 裕介 金沢大学, 電子情報通信学系, 助教 (60840668)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 真空アーク / アーク減衰過程 / プラズマ / 2次元分光測定 / 真空遮断器 |
Outline of Annual Research Achievements |
真空アーク放電の制御は,接点電極間が真空で絶縁された電力用真空開閉器における重要な技術課題である.電流遮断のため電極を開極すると,電極からの金属蒸気により構成される真空アークが発生・維持される.真空アークの減衰過程において,電極間に残留するプラズマが電流遮断後の電気絶縁回復特性に影響を与える.本研究は,真空アーク減衰過程における金属蒸気挙動,アークプラズマの物性および残留プラズマが電流遮断後の電気絶縁特性に与える影響を明らかにすることを目的とした. 本研究では,真空アークを発生させる実験系の構築および2) 真空アーク減衰過程の実時間2次元分光測定系の構築を行った.本実験系では,真空アークの自然拡散過程観測のため,パワー半導体スイッチングを利用した高再現性・高速応答性を有する実験系を開発した.CuおよびCuCrから成る試料電極を試験用真空チャンバ内に設置し,それと並列に半導体スイッチ(IGBT)を設けた.実験では,小電流用DC電源により真空チャンバ内に真空アークを点弧し,その後IGBTのスイッチングにより電流をIGBT側に転流することで,再現性良くチャンバ内の真空アークを数十usで減衰させた.この時の真空アーク減衰時の金属蒸気について,分光器を取り付けた高速度ビデオカメラで特定波長の発光を測定することで,金属電極を構成するCuおよびCrの原子,イオンの時空間分布を取得した.減衰過程における発光は極めて微弱であるため,イメージインテンシファイアを取り付けたICCDカメラにより,高感度での観測を行った.2次元分光観測結果から,アークの発光は電極材料であるCr,Cu およびCu+が主成分であることがわかった.一部のCuは電離してCu+として存在することから,これらが残留アークの導電性に係ると考えられる.
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