2019 Fiscal Year Research-status Report
省エネルギーのためのスパース分散最適制御理論の構築とフォーメーション制御への応用
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19K23519
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
池田 卓矢 北九州市立大学, 国際環境工学部, 講師 (00848319)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | マルチエージェントシステム / 分散制御 / スパースモデリング / 最適制御 / 凸最適化 / ネットワーク化制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度に得られた成果は以下の通りである. (1)これまでの予備研究で得られた集中制御系に対するスパース最適制御の理論的成果を,分散制御系のフォーメーション制御へと拡張した.より具体的には,モデル予測制御の概念を導入し,各サンプリング時刻上でスパース最適制御を用いて軌道計画を行う分散制御アルゴリズムを導出した.提案する制御アルゴリズムはエージェント間の角度情報に基づいており,隊形の縮小や拡大といったスケールに関する自由度を持つ.その解析的な最適制御則を陽に特徴づけ,数値計算負荷の低減化を行った. (2)無人航空機等を利用した分散制御系において障害物回避などの高度な制御性能を実現するために,リーダーと呼ばれる系全体を効率よく導くエージェントの選定問題に取り組んだ.より具体的には,リーダーの個数制約にのみ注目する従来研究に対し,外部入力の印加時間量の制約にも注目した新しいリーダー選択問題を設計し,最適解として選択されるエージェントの性質やその数値計算手法を記述した. (3)一般的な線型システムに対するスパース最適制御問題と凸緩和問題との等価性の解明や,非線型システムに対する状態フィードバック型のスパース最適制御則の導出を行った. 以上の成果は, IEEE Conference on Decision and Control や IEEE Transactions on Automatic Control などの国際会議および国際学術誌にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究計画通り,スパースモデリングに基づく分散制御則の導出および数値解法の提案を行うことができた.加えて,ネットワーク系におけるリーダー選択問題にも取り組むことができており,研究は概ね順調に進んでいると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の成果をもとにして,スパースモデリングに基づく分散制御系の研究をさらに進める.本年度の活動では,主問題の凸化を利用した計算方法を与えたが,今後は緩和手法が妥当でない場合も調査対象に含み,さらに有効な数値解法を与えたい.また,ネットワーク内部のノード間の接続構造(トポロジー)は既知であるとしていたが,数値実験を通してトポロジーにより制御性能が大きく変化することを確認している.制御にかかる消費エネルギーを低減するようなトポロジーの設計問題への応用にも着手したい.
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Causes of Carryover |
本年度は,研究期間が1年間のみである他機関の助成事業にも採択されることとなり,支出予算を優先的にそちらに指定したたため,当初の予定より次年度使用額が生じた.また翌年度では,新型コロナウィルスの流行から,旅費に関する支出額は当初の予定より小額になることが予想される.本研究では,組み合わせ最適化問題に対する数値計算方法の提案や実機検証まで行うため,これらの予算は高性能のPCや無人航空機の購入費,および論文投稿料に充てる予定である.
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Research Products
(7 results)