2019 Fiscal Year Research-status Report
作業員の生体計測を用いた土木工事現場における適応的危険予測マップの構築
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19K23529
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濱崎 峻資 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (10849003)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 建設現場の安全 / 生体計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
急速に少子高齢化が進む日本において,土木建設工事においても労働力不足,熟練工不足が問題となっている.問題解決のため建設機械の高度化,自動化が進められているが,同時に建設機械と作業員とが共存する環境における安全確保が重要な問題となる.本研究では,安全と効率を両立した建設機械と作業員の共存運用を実現するため,工事現場における適応的な危険予測マップを構築することを目的としている. 本研究の目的を達成するため,作業員の反応を通じて危険の発生を客観的に抽出・計測する必要があり,危険な事象に関する人間の反応について検証しなくてはならない.本年度実施したのはこのフェーズであり,申請時実施計画における①取得データの決定に該当する研究である.具体的には,環境に設置したレーザレンジファインダによって人間のトラッキングが可能な室内環境において被験者を歩行させ,突発的な危険事象を体験した被験者の心拍,筋電などの生体反応を計測した.さらに,実際の建設工事現場における危険事象により近い体験を被験者に与えるため,建設機械との接触に関するVR映像を準備し,ヘッドマウントディスプレイを用いた被験者実験も行った.一連の検証実験の結果として,危険事象に対する人間の反応から危険事象の発生を検出するために計測すべき測定項目の特定に成功した. また,これらの検証実験と並行して,現場環境のモニタリングに関して建設関連企業との交渉を進め,好意的な感触を得ている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の計画通り,検証のための実験系を構築し,被験者実験を行うことができた.その結果,計画の次段階に進むために十分な仮説を得ることができた.国内会議にもアクセプトされており,2年目5月に発表を行う.
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Strategy for Future Research Activity |
1年目の結果を踏まえ,実際の現場環境における計測を行い,データ解析から危険予測マップの構築を行う.一連の研究結果については、随時学会発表および論文投稿を行う予定である.
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Causes of Carryover |
令和元年度は計測実験のための実験系を構築するための予算を主に申請していた.しかしながら本研究者の所属する研究室において他予算にて共同で使用可能な設備を購入することができ,一部の物品費を購入する必要がなくなった.
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