2021 Fiscal Year Research-status Report
The entrenching of the processing method on the titanium oxide surface: Aiming at implementation in the water treatment system
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19K23538
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
安藤 直哉 北海学園大学, 工学部, 准教授 (20847595)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 光触媒 / 酸化チタン / 紫外線 / アンモニア / 有機物 / 酸化処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
水中に溶存しているアンモニア除去のため,光触媒(酸化チタン)表面凹凸構造が紫外線との組合せによる酸化作用に及ぼす影響について検討を行った。 酸化チタンへの表面凹凸構造の付与は,酸化チタン(アナターゼ型)とポリマー造孔剤(50 %粒子径:4.0,12.1,22.8,50.4 μm)を焼結前に混合し,焼結することで行った。混合するポリマー造孔剤の配合率(0.0, 5.0,10.0,20.0 % w/w)と表面凹凸構造の特性の変化と酸化力の変化を,水銀圧入法により細孔表面積,積分球を用いた波長280 nmの紫外線の拡散反射率,および回分式実験によりメチレンブルー除去性,有機物除去性,アンモニア除去性をそれぞれ評価した。 その結果,造孔剤の粒子が小さい方が細孔比表面積が大きく,メチレンブルー除去性およびアンモニア除去性が高かった。有機物除去性については,小粒径の造孔剤の方が処理前後での有機物雰囲気の変化が大きいことを励起・蛍光マトリックス(EEM)測定にて確認した。以上の結果より表面凹凸構造の付与により酸化力が強化されたと考えられる。一方で,酸化チタンの塗布量から推定した表面積の増加量からでは,酸化力の増加を十分に説明できなかった。また,拡散反射率から紫外線の有効利用による酸化力の増加について検討を行ったが,十分に説明できなかった。 以上の結果から,酸化チタン表面に微細凹凸構造を付与することにより,触媒反応が強化され,酸化処理能力が向上し,メチレンブルー除去性,有機物除去性,およびアンモニア除去性が向上することがわかった。酸化チタンの酸化力の向上は,表面積の増加のみだけではなく,紫外線の拡散反射率や酸化チタン表面の細孔径の影響を受けることが示唆された。今後の課題として,SEM等により表面凹凸構造を直接観察し表面粗さを解析し,酸化チタンの酸化力との関係ついての検討が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍により,エフォート配分を当初計画から変更せざるを得なくなったため,進捗に遅れが生じている。 また,コロナ禍により学会がオンライン開催になり,予定通りの予算執行ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
酸化チタン表面の凹凸構造のSEM画像を撮影し,表面凹凸構造の直接観察および表面粗さの解析を行い,触媒反応との関係を評価し,光触媒の性能評価につながる指標となり得るか検討を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により,エフォート配分を当初計画から変更せざるを得なくなったため,進捗に遅れが生じている。 また,コロナ禍により学会がオンライン開催になり,予定通りの予算執行ができなかった。 そのため,酸化チタン表面の凹凸構造のSEM画像を撮影し,表面凹凸構造の直接観察および表面粗さの解析を行い,触媒反応との関係を評価し,光触媒の性能評価につながる指標となり得るか検討を行い,研究成果をまとめ,外部発信ため学会発表の参加費に使用したい。
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