2022 Fiscal Year Annual Research Report
The entrenching of the processing method on the titanium oxide surface: Aiming at implementation in the water treatment system
Project/Area Number |
19K23538
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
安藤 直哉 北海学園大学, 工学部, 准教授 (20847595)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 光触媒 / TiO2 / アンモニア / 有機物 / 残留塩素濃度 |
Outline of Annual Research Achievements |
紫外線と光触媒との組合せ(光触媒反応)による酸化処理による,上水分野におけるアンモニア分解除去の効率化のため,触媒表面への凹凸構造の付与を試みた。凹凸構造の付与は,市販のポリマー粒子造孔剤を粉末酸化チタンと混合し,その後焼結することで行った。酸化力の評価は,純水,水道水,河川表流水を必要に応じて凝集沈殿ろ過処理を行い実験原水に用い,回分式のメチレンブルー脱色実験およびアンモニア分解実験により行った。 研究期間全体での成果は,①ポリマー粒子を造孔剤として用い焼結するすることにより,UV照射との組合せによる酸化力が上昇することをメチレンブルー脱色実験およびアンモニア分解実験により確認した。自然水中のアンモニア分解については,共存する有機物も同時に分解するため,造孔よる効果は見かけ上小さくなることが分かった。光触媒反応による酸化力の上昇については,増孔による比表面積の増加量からメチレンブルーおよびアンモニアの濃度の減少量の説明が出来ないことが分かった。同様に表面反射率の増加量のみからも説明が出来ないことが分かった。したがって,今後は比表面積および表面反射率を複合的に捉えた酸化力の上昇のメカニズムの解明が求められる。②水道水の浄水プロセスへの社会実装を想定すると,光触媒反応による酸化処理により,消毒工程で添加される塩素成分の濃度,すなわち残留塩素濃度への影響の有無が運用上重要となる。光触媒反応による酸化処理により溶存有機物が分解されることが確認できた。その一方で,光触媒反応による酸化処理水は,塩素添加後の残留塩素濃度が河川表流水の凝集沈殿ろ過処理水やUV照射処理水よりも低下し易い事を確認した。 よって,UVとTiO2による酸化処理を用いる場合には,残留塩素濃度管理に注意が必要であることが示唆された。
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