2019 Fiscal Year Research-status Report
エネルギー的指標を用いて種々のせん断履歴が砂質地盤の強度特性に与える影響の検証
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19K23545
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
青柳 悠大 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 専任研究員 (40845658)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 正規化エネルギー / 室内土質試験 / せん断履歴 / 液状化 / 再液状化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、過去のせん断履歴・液状化履歴の影響を定量的に表現可能な「エネルギー」的指標を用いて、再液状化時の強度増加率の推定を試みるものである。 これまでの研究で、変相線に至るようなせん断ひずみ0.5%を超えるようなせん断履歴を与えると、再液状化強度が低下することが分かっている。そこで、本研究では、せん断履歴で生じさせるせん断ひずみを0.5%以内とし、その後再圧密をして通常の液状化試験を行うという手順を行い、微小せん断ひずみ履歴が液状化強度増加に与える影響について実験的に検討する。その後、様々なせん断履歴を与えた繰返し三軸試験の結果から得られる「応力比-ひずみ関係」から新たに提案している「正規化エネルギー」を算出し、せん断履歴が液状化強度増加率に与える影響を定量的に把握する。 せん断履歴が再液状化強度に与える影響を検討を行うにあたり、波数の多い微小な繰返しせん断履歴を高精度で制御する必要があったため、変位制御型ギア式精密繰返し載荷装置を搭載した三軸試験装置を新たに導入した。この載荷装置のコントロールは、載荷速度や載荷方向の反転をパソコンのD/A出力による外部信号によっ制御することが可能であり、容易に非常に高精度なせん断履歴のコントロールを行う事が可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、せん断履歴が再液状化強度に与える影響を検討を行うにあたり、波数の多い微小な繰返しせん断履歴を高精度で制御する必要があったため、変位制御型ギア式精密繰返し載荷装置を搭載した三軸試験装置を新たに導入した。また、過去に行われた中空ねじりせん断試験で行った複数回液状化試験に対して、正規化エネルギーを用いたせん断履歴に関する定量的分析を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
三軸試験装置を用いて、せん断ひずみ0.5%以下の微小せん断履歴を与えた液状化試験を系統的に実施する。せん断履歴過程では、与える波数、応力振幅、周波数等を網羅的に変化させ、与えたせん断履歴中のエネルギー的指標を算出し、再液状化強度増加率を定量的に検討する。
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Causes of Carryover |
当該年度では、試験装置作製において所属機関の現有の試験装置の部品や既存の消耗品等を使用することができたため。 次年度は、三軸試験の実施と試験装置の機能拡張のために当該年度で使用しなかった経費を併せて使用する予定である。
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