2022 Fiscal Year Annual Research Report
町並み保全地域における自主規範の実態把握及び調整システム構築・運用指針の作成
Project/Area Number |
19K23548
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
石山 千代 國學院大學, 研究開発推進機構, 准教授 (30847984)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 持続可能な観光 / 観光まちづくりと住民 / 景観保存と地域経済の両立を目指す仕組みの埋め込み / 自主規範を軸とした空間的・社会的調整システム / 地域課題とリスクへ備えた調整システムの再構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の仕上げの年度として、以下4点を行った。1)昨年度コロナ禍で現地調査が延期となった海野宿において現地調査とNPO法人等へのヒアリング調査を実施し、これまでの文献調査・オンライン調査の結果と実際の空間実態、運用状況等を照合し、自主規範を尊重しながら新たなまちづくりを行う段階での調整システム再構築の課題について考察を深めた。2)ここ数年、研究者が重点を置いて研究を継続してきた妻籠宿についてもコロナ明けに現地調査を実施し、コロナ前後の変化、空き家や修理・修景工事待機棟数が年々増加する中での自主規範および法制度の運用方針の見直しに関する把握を行った。その結果とこれまでの研究蓄積を「持続可能な観光」「観光まちづくりと住民」という観点から改めて取り纏めて2022年10月に寄稿した。3)本研究成果とこれまでの関連する研究成果を踏まえて、観光や交流と接点をもちながらまちづくりを進めていく時に、いかにビジョンを描くか・地域資源をいかに観光まちづくりにつなげ魅力をつくるか・いかに災害に備えるべきかについて2023年3月出版図書(共著)の一部として取り纏めた。4)本研究の研究期間を通じて得られた成果をもとに、宿場町、山村集落(特に茅葺集落)、島の農村集落ごとに、①目指すべき理念と規範の明示・共有②景観保存と地域経済の両立を目指す仕組みの埋め込み③新たな主体・要素の受け入れ・運用の見直し(規範の統合・共有と調整の仕組み)④地域課題とリスクへの備えという4つの観点から自主規範を軸とした空間的・社会的調整システムの今日に至る構築過程を整理し、比較分析を行い、2023年度中に刊行予定の図書(共著)に向けた執筆を行った。
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