2022 Fiscal Year Annual Research Report
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19K23549
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| Research Institution | Shimane University |
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Principal Investigator |
小松 真吾 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助教 (60845618)
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| Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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| Keywords | 鋼構造 / NCブレース架構 / 弾性ひずみエネルギー吸収 / 振動台実験 / 等価線形理論 / 地震応答予測 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らが提案しているNCブレース架構は，楔デバイスの動作機構により圧縮力が作用しないNCブレースの特徴により，弾性時のひずみエネルギー吸収という減衰機構を有した構造システムである．本研究はNCブレースを様々に配置した架構の弾性ひずみエネルギー吸収を静的載荷実験と振動台実験により実証するとともに，この新たな減衰機構の制振効果を等価線形理論に基づき評価する方法を確立することが目標である．
最終年度である2022年度はまず，これまでに未実施であった1層NCブレース架構の観測地震波を入力した振動台実験を実施した．NCブレース架構試験体は，固有周期が等しく弾性ひずみエネルギー吸収のない，ブレース初期張力を導入した試験体に比べ，弾性ひずみエネルギー吸収により特に絶対加速度応答を大幅に低減できることを実証した．
次に，昨年度開発したNCブレース架構の非線形弾性履歴則を組み込んだ解析モデルで広範な変数の下に時刻歴応答解析を実施した．非線形弾性応答を呈する各半サイクルの数とその非線形性の強さを振動開始から最大応答発生に至るまで詳細に調査し，地震動特性，固有周期，ブレース剛性比などにより変化するこれら応答特性の予測法を提案した．さらに，既往の等価粘性減衰定数の評価法に，これらの応答特性を反映して拡張し，NCブレース架構の等価減衰を評価する方法を確立した．詳細な非線形特性が反映された非線形応答サイクル毎の減衰定数の平均により，時刻歴応答解析から得たNCブレース架構の最大応答を，広範な変数に対して非常に安定した精度で予測できることを示した．
最後に，既往の等価線形理論に基づいた応答評価法をNCブレース架構の力学特性を考慮して拡張し，理想化された応答スペクトルの下での，初期固有周期と減衰定数の等しい弾性系からの弾性ひずみエネルギー吸収による応答低減効果を示した．
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